男爵、危機一髪

 


朝、母親がバロンがいつの間にかリードをはずしているという。


見ると、コーギー犬のバロンが庫裏の前で寝そべっていた。


リードを持って近づくと、息遣いがいつもと違う。どこか苦しげである。



バロンを見た瞬間、「もう長くないかも」と思った。


バロンはいつになく機嫌が悪く、絶対に首輪に触らせない、とうとう2回ほど足を噛まれてしまった。ズボンには大穴が…


首輪に触ろうとすると悪鬼のような表情で牙をむく(かなり怖い…)


どうしたものか…昼に大事な案件があるのに(涙)



暫し思案して駅前の動物病院に電話した。
犬用の睡眠薬を処方してもらえないか…眠っている間ならと思ったのだ。


内心、一笑に付されて断られるかと思いきや、実に懇切な対応。
鎮静剤を処方してくれるというので貰いに行った。1錠950円。


950円で犬がつなげるなら安いものである。



餌に鎮静剤を混ぜたが、すぐにもどしてしまいわずか3分の1ほど口にいれただけだったが、しばらくすると明らかに虚ろな表情のバロンが寝そべっている


「大丈夫かい?」と心配そうに声をかけるが内心…



効いてる!効いてる!(笑)




だが、どんどん呼吸が荒くなって、ふらふらと歩きながら血尿を少量。


眼は白濁し力がない…


三重塔のあたりまでおぼつかない足取りで歩いた後、ぐったりして動かなくなった。


暫くして見に行くと、完成したばかりの供養塔の横に倒れて荒い息をしていた。




夕食が終ると…


バロンが元気に帰ってきた…



妻にもらった餌をガツガツ食べること食べること…


思わずツッコミました


死ぬんちゃうんかい!


駄犬はまだもう少し山寺にいそうです…