迷犬トモ
今年の五月のある夕暮れ、裏庭で薪を積んでいると、動物の足音がした。かなり大きい足音。しかも複数!身の危険を感じ少し緊張…すると大きな白い犬が二匹走りこんできた。どうも迷い犬らしかった。
翌朝起きると、二匹は首輪に繋がれ餌を食べている…
動物好きの住職(父)の仕業である。この人は動物好きなのはいいがフクロウとかムササビとか生態のよく分からない動物を拾って帰ってくることがあって、その世話は結局、家族がさせられるので良い迷惑である…
迷い犬の一匹はシロと名付けられ兼務している山寺へイノシシよけに送られた。
もう一匹はトモと名付けられ山寺で飼うことになった。もとからいたコーギー犬バロンとこの犬トモの2匹が現在のペットである。雑種らしいが犬種は不明である。(犬種をご存知の方がおられれば教えて頂きたい。)
トモは大人しく、頭が良い。どうも猟犬の系統らしい。山寺の裏山に猿が来ると一気に裏山に駆け上がりどこまでも猿を追い続けるようになった。おかげで毎年、猿に荒らされるお寺の栗の木から沢山の栗の実が収穫でき家族も大喜びである。
最近、トモがすごく痩せてきた。別の山寺にいるシロも同じように痩せてきているらしい。
寒さに弱いらしいが毛布をやっても喰いちぎってしまう。これから寒くなるので少し心配である。
犬には2種類あって動物でしかない犬と、人間くささを感じさせる犬がいる気がする。
トモは後者である。ときどき何か言いたげな表情で私の顔を見ている時がある。
追記
トモについては、警察や役所に相談したが未だに飼い主は見つかっていない。
2匹同時に迷子になることは考えにくいので捨てられたのかもしれない。
ペットを簡単に捨てる人がいるが、困ったことだと思う。