濃淡のある世界

burogubou2007-12-29

兼務している山寺で正月の飾りつけを終え、車を走らせていた。

小雨の降った後、遠くの山並みを見ると、ゆっくり霧が立ち始めた。

いつも不思議に思うのは、地表から同じように霧が立つのではなく、はっきり濃淡の差があることである。まるで焚き火の煙のように見える時すらある。地面から立ち上がった霧は一塊となって形を変えながら風に流され、広がり、大気の中に消えて行く。

霧の中にある山並みは、近くは濃い灰色だが、遠くに行くほど淡い色になり、やがて霧の中に消えていく。そして時々霧が風に払われると山並みが切れ切れに姿を現すこともある。

その動きを見ているといつの間にか、師走の忙しさに追われるうち、私の心の中にあったもやもやしたものが晴れていた。有り難いことである。

時々そんな体験をするが、自然の持っていう大きなリズム、うねり、躍動のようなものを感じ、身を委ねることで、それまで自分を支配していたものから抜けだせるようなそんな感覚である。

 私達は写真の鮮やかな色彩を自然の色彩のように思っているが、昔の人がこんな景色を見たら、墨で画こうと思ったのも至極当然のように思える。

写真に収めてはみたが、とても自分の受けた印象を表すことはできなかった。

 ※ 追伸

 ホームページ更新しました。
 御笑覧頂ければ幸いです。

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 ちなみにホームページの製作担当は愚妻です。
 いつの間にか愛犬(駄犬)のコーナーまで出来てます…