Smile for me  その2

 以前、証明写真を撮るために自動撮影のブースを利用した。(正確な名称は分かりません…)

 私としては軽く微笑んで、いい感じで撮ったはずであった…
 ところが…できあがった写真を見てみると、ひどく冷たく、笑顔とはほど遠い自分の顔が写されていた。

 自分が周りに与えていると思っている印象と、実際のそれとはかけ離れているかもしれないということに改めて気付いた。

 最近、無愛想な日本人が増えた気がする。
 もっとも「無愛想に見える人」も話してみると意外にいい人だったりすることもある。
 ただ、日本人はもっと心して笑顔を増やしてもいいように思う。
 他人の為だけでなく、自分自身が無愛想な表情で損していることも多いはずである。
 そして自分が無愛想なのに、「自分は愛想のいい人間」と思い込んでいたらもっと損である。


 数年前、或る檀家さんが亡くなった。
 とてもお寺に尽くして下さった方で私の尊敬していた方だった。

 この方は仕事を退職され、農業を営んでおられた、ごく普通の男性だったが、笑顔がとにかく素晴らしかった。その笑顔を上手く言葉にできないが、心から嬉しそうに大きな口を開いて笑う方だった。

 この檀家さんのお葬式の時に読まれたある弔電はこの方への感謝をつづった後、「あなたの笑顔は素晴らしかった」という一文で締めくくられていた。聴いていた私も、胸が一杯になった。

 「笑顔」という言葉を聞くと、今でもこの方の笑顔が眼に浮かぶ。
 
日本人にもっともっと笑顔が増えますように!