「煉瓦屋」にて


本日は夕方から雨。

夕食の後、何となく出かけたくなった。
市街を車で走っていると、まだ7時半だというのにメインストリートの殆どの店が閉まっている…

全国で一番多い通りの名前は「シャッター通り」という笑えない冗談を思い出した。
開いている店といえば居酒屋かラーメン屋くらいしかない。雨が降っているので人通りもまばらである。

ようやく駅の側に「煉瓦屋」という喫茶店が開いているのを見つけた。

コーヒーを頂きながら、置いてある雑誌を見ていると「サライ」で土門拳の特集を見つけた。
土門拳という人はとても気になる写真家だが、「サライ」に載せられた写真の数々を見ていると、改めて圧倒的な存在感を感じた。

一番心惹かれたのは岐阜の多治見市にある永保寺にて撮影された「永保寺臥龍池無際橋」という一枚。
朝靄の中、池に掛かるゆるやかなアーチの橋を撮ったものだが、自然と建築物が渾然となっていて、見ていて飽きない。
他にも、平等院鳳凰堂の夕焼けや室生寺の石段など著名な写真から、古寺の扉やごく小さな装飾品を撮ったものまで様々な作品が載せられていた。


最近の雑誌を読むと、まず何かを買うことを勧められている気がして、なんとなく腰が引けることが多いが、こうした見飽きることのない写真を丁寧な解説を添えてくれる企画は頼もしい。

「煉瓦屋」さんという喫茶店も始めて入ったが、とても家庭的なお店だった。家庭的で落ち着くが、どこか鷹揚で、爽やかな雰囲気のあるお店である。
手作りのケーキもとても美味しかった。2杯目のコーヒーが200円というのも良心的だと思う。(広い駐車場があるが裏通りにあるのが少し分かりにくい)

雨の日に「煉瓦屋」さんで雑誌を読むというのが私の新しい定番になりそうである。