観音様のご利益

 人間に同姓や同名があるように、お寺の名前でも薬師如来をまつった「薬師寺」や観音様をおまつりした「観音寺」などというお寺は全国にある。

 私の兼務しているお寺にも「観音寺」というお寺がある。
 恐らく観音菩薩様への信仰は、数ある仏教の諸仏の信仰の中でもとりわけ古く、広がりをもったものだったと思われる。
 私の兼務している観音寺も今は人家も僅かしかない山里にあるお寺だが、このような丹波の山里にまで観音様への信仰が広く伝わっていたことを思うと感慨深いものがある。

 世界的なカメラメーカーであるキヤノンの創業者は観音様への信仰が大変に篤かったそうである。
 そのため「観音カメラ」という製品を作ったが海外では、“kannon”という表記を「キヤノン」と発音する人が多いため、社名を今日のキヤノンにしたという話を大学生の時、仏教学の講義で聞いたことがある。(キヤノンのHPで確認すると、私の聞いた話とは少し違った内容が掲載されていた。お暇な方は下記のURLをご参照下さい)
 キヤノンが今日のように世界的な発展を遂げたのも、観音様の御加護があったのかもしれない。
 (ちなみに、私はずっと「キャノン」だと思っていたが、「キヤノン」というのが正しい表記であることに今回気付いた。)

 私は昨年結婚したが、妻はキヤノンで働いていたので、観音寺のお寺にキヤノンから嫁が来たのも観音様のご利益である…というのが最近の法話のネタである(笑)


【参考】キヤノンの社名の由来について  http://web.canon.jp/about/mark/origin.html