のんの ののさま
今日は地元の仏教会の花まつり。
市内のお寺に幼稚園児が集まって、台車の付いた白い、大きな像の模型を曳いて、会場までパレードをして歩く。
白い像の上に花御堂という小さなお堂が乗っていて、お堂の中には生誕されたばかりのお釈迦様が立っておられる。
パレードが始まってすぐ、このお堂が振動でぐらぐらと大きく揺れていることに気付いた。
中に立っているお釈迦様も左に右に激しく揺れておられる…
パレードの途中でとうとうお釈迦様が倒れてしまった!縁起でもない…
会場に着くと、市内各地の幼稚園からも児童が集まってきた。
司会役のお坊さんが葬儀で欠席されて、いきなり私に代役の依頼が来た。
仕方ないのでお引き受けする。こういった仕事は若手に回ってくるのである。原稿を読むと「はーい!幼稚園のお友達、こんにちはー!」みたいなノリで書いてあってちょっと恥ずかしい(笑)…
みんなで「ほとけさま」の歌を歌う
のんの ののさま ほとけさま わたしのすきな かあさまの おむねのように やんわりと だかれてみたい ほとけさま
私の好きな歌である。大勢の子供が無心に歌っている姿は見ていると心がふんわりとする。
献花や灌仏のあと、仏教会の会長の法話。
人の心の中に仏様の心という種があって、それを育てましょうというとてもいいお話だった。
その後は人形劇「舌きり雀」のお話。
欲の深いおばあさんがすごくリアルに作ってあってちょっと怖い…
幼稚園の頃、こうした人形劇がとても楽しみだったことを思い出した。
良い人間に良い結果、悪い人間に良い結果が訪れるというのが昔話の基本である。
欲張って大きいつづら箱を持って帰ったおばあさんが失敗しするという実に分かりやすくまた、とても大切な教えが含まれている。
子供の頃にこうした昔話を親や周りのものが聞かせてやることは大事なことではないかと私は思っている。
最近は金融教育などという口実で子供に1億円の札束に触らせるというようなことをやっている学校もあるが、これは大きなつづらを貰いなさいと教えているようなものである。そのうち、欲ばらないおじいさんは負け組みですとでも教えられるようになるかもしれない。
大切な教えは昔話の中に埋もれている。
その宝を子供に掘り起こしてあげるのは親の仕事であり、大人の務めであると思う。
のんの ののさま ほとけさま
わたしのすきな かあさまの
おむねのように やんわりと
だかれてみたい ほとけさま
のんの ののさま ほとけさま
わたしのすきな とうさまの
おててのように しっかりと
すがってみたい ほとけさま