ニガウリ探検隊

         【お坊様のレストラン】
 
 昨年の夏、かなり病みつきになったのがニガウリの生ジュースである。

 もちろんかなりの苦さなのだが、その苦みがこれぞ身体の求めていた味!という感覚があり、とにかく頻繁に飲んでいた。

 昨年、気に入っていたレシピはニガウリとパイナップルに缶詰をフードプロセッサーにかけるものだった。

 今年はパインの缶詰ではなく、果汁100%のパインジュースやオレンジジュースなどいろいろ試行錯誤中である。

 ニガウリと果汁だけだと<苦い汁>という感じになる、もう少しトロッとした飲み口が欲しいと思って、バナナを加えたらかなりいい感じになった。

                  ニガウリ+パインジュース+バナナ

 しばらくこの組み合わせが続きそうである。
 お腹が減っている時に食事をすると力が湧いてくる感じがあるが、ニガウリのジュースを飲んだときの身体にぴったりくる感じはとても新鮮だった。
 昨年も猛暑だったが、ニガウリの中には暑さで消耗した身体に効く何かがある感じがする。
 東洋医学では寒い時に取れた作物は体を温め、暑い時に取れた作物は身体を冷やすという考えがあるが、そういえばニガウリもパインもバナナも暑い地域の作物である。

 コミュニケーションというと人との交わりをさすことが多いが、実は自分の身体とのコミュニケーションもとても大切である。
自分の身体が何を欲しているか、何を望んでいないかという情報を感じることはとても大切である。(もちろん「タバコが吸いたい」とか「ケーキが食べたい」などの嗜好に関するものは要注意ではある)

 ついでに言うと、人間関係で人の言うことを聞かない人とか、相手の気持ちの動きに鈍感な人は自分の身体とのコミュニケーションも下手であるように思う。
 身体の発しているいろいろなシグナルを無視し続けて、ある日突然倒れたりする…

 
 材料をフードプロセッサーに入れ一分と経たないうちにジュースが出来上がる。
 料理をしているという実感はないが、高速で回転する綺麗な青色を見るのはなかなか愉しいものである。ゴーヤーマンなどという有難くないあだ名を家族につけられるのも時間の問題である。


               美しき  緑走れり  夏料理            星野立子