アライグマの戒名
最近、夜中に駄犬達がやたらと吠えるので何か居るのかと思ったら、境内に野良猫が住み着いているのを見つけた。痩せた茶色いネコで可愛いといえば可愛いのだが寝不足には代えられない。捕まえて遠くに放逐の予定。
何年か前にも野良猫が勝手口から侵入し、寒かったと見えて余熱で温かかった風呂の焚き口の中へ入ってしまった。母親がお風呂を焚こうとして薪に火をつけたら焚き口から猫が飛び出してきたそうである…
先日、檻に掛かったイノシシを処分する係りになってしまった方からメールを頂いた。
殺さなければならない動物にお経を唱えてあげるとしたらどんなお経が良いかという質問だった。
観音経も良いと思う実際に殺生をする場面では長すぎる気がした。
馬頭観音は畜生道を司ると言われるので馬頭観音様の真言※をお伝えした。
役目とはいえ生き物を殺すというのはなかなか大変だと思う。それでも神仏に成仏を祈念しようというお気持ちは立派なものである。
兼務している山寺でもアライグマが天井に営巣して、罠をしかけざるを得なくなった。よそのお寺でアライグマの為に天井を張り替えなければならなくなったと聞いたからである。
殺生は無いに越したことはないが、それでもやむを得ない場合というのもある。
人間の食物の多くは殺生の上に成り立っていることが多い。
自分の為に犠牲になったものがいることを忘れないようにしたいものである。
今年の夏は施餓鬼の時にアライグマの為の塔婆を書こうかと考えている。
さすがに戒名は付けられないが何らかの供養は必要だろう。だが一体塔婆にどう書けばいいか決めかねている。夏までには考えなければならないのだが…
※ おん あみりとう どうんぱ うんぱった そわか