「郵便局の椿 」 金子みすゞ

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 出張の間にHPが更新されてました。新緑の境内が綺麗です。
 ご笑覧下さいませ
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長い出張から山寺に帰ってきたらアマゾンで注文していた金子みすゞの詩集が届いていた。
「花の詩集1」(JULA)の最後に「郵便局の椿」という詩が載っていた。

金子みすゞ花の詩集〈1〉

金子みすゞ花の詩集〈1〉


    郵便局の椿   金子みすゞ

 あかい椿が咲いていた、
 郵便局がなつかしい。

 いつもすがって雲を見た、
 黒い御門がなつかしい。

 ちいさな白い前かけに、
 赤い椿をひろっては、
 郵便さんに笑われた、
 いつかのあの日がなつかしい。

 あかい椿は伐られたし、
 黒い御門もこわされて、

 ペンキの匂うあたらしい、
 郵便局がたちました。


 言葉の色彩や言葉のリズムと美しくて、どこか哀しい内容がひとつになって響いてくる素敵な詩である。

 詩に詠まれた郵便局は山口県長門市にある先崎郵便局である。金子みすゞ記念館の向かいに建ってるそうである。

  【http://www.nanavi.jp/page/detail.php?id=137