<人生皆苦>の味

【お知らせ】

HPを少々更新致しました。
ご笑覧下さいませ
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2年ほど前にアシタバという植物の苗を幾つか買った。

この山寺は日当たりが悪いので作物の育ちが悪いのだが、アシタバというのは日陰でもよく育つという。アシタバという言葉の由来は今日、収穫しても明日にはまた収穫できるくらい生育が早いことに因んだものだという。しかもこのアシタバには様々な薬効があるというので早速育てはじめた。

アシタバの栽培を始めてみると確かに、日陰でもよく育つ。ところがしばらくして大きな欠点を発見した。

味がマズイのである…

なんとも言えない強烈な苦味やエグ味があって私の口に合わないのである。
いくら身体に良くても、毎日採れても、日陰で育っても、不味いのを我慢するのは困る。というわけでアシタバ栽培計画は放置され、世話をされなくなったアシタバは枯れていき、最後の一株が境内の片隅に残るだけになっていた。

ところがアシタバを栽培しているという檀家さんのお宅に法事に行って、アシタバをジュースにすると良いと教えて貰った。

早速、豆乳、蜂蜜、バナナなどの食材と合わせてジュースにしてみると…

美味しいっ!

というわけで、最後の一株はジュースの素材として復活することとなった。

寒い時には生ジュースを飲みたいとは思わないのだが、暑くなると、野菜や果物を使った新鮮なジュースが飲みたくなる。

昨年の夏はニガウリとパインジュースで作った生ジュースにハマった。ニガウリというのは虫もつかず、一旦、実がなるとどんどん収穫できる。ニガウリをもてあましていたらしい檀家さんの間に「副住職はニガウリが好物らしい」という噂が広まって、どんどんニガウリが持ち込まれる事態になった…

ここ一週間ほどのマイブームはヨモギ入りのジュースである。
「現代農業」という雑誌に「ヨモギの味噌汁で沖縄の人は長寿」という記事を見つけて、ヨモギ料理を試作しているうちに、生のヨモギをジュースの食材に混ぜて飲んでみたら結構美味しかったのだ。

私がハマる生ジュースというのはみんな独特の苦味やエグ味がある。

普段食べる野菜からは、昔の野菜ような苦味やエグ味は無くなって食べやすいものが多くなった。そのことはとても良い事なのだが、野性の味とも言える苦味やエグ味をもった食べ物はなんとなく身体が欲しているように感じることがあるのだ。その中に私達の必要な何かがある…と納得しているのだが、果たしてどうだろうか。