龍樹と舞姫

【山寺の本棚】

花冷えというべきか、また少し寒さが逆戻りである。
朝、地面が濡れていたので雨が降ったのかと思って、向かいの山を見ると5合目以上から真っ白に雪化粧していた。寒いはずである。


龍樹 (講談社学術文庫)

龍樹 (講談社学術文庫)

日本に仏教はほぼ全て大乗仏教に属するが、大乗仏教の根本思想は空の理法を悟ることにあるとされる。その空の思想を理論的に基礎付け、大乗仏教の思想を確立したのが龍樹(ナーガルージュ)である。そのため龍樹は日本では南都六宗、天台、真言の「八宗の祖師」であると崇敬されている。仏教史、日本仏教の中でいかに龍樹の果たした役割が大きかったか想像に難くない。

アマゾンに注文してあった中村元「龍樹」(講談社学術文庫)が届いた。
まだ第一章しか読んでいないが、面白い…

明快、明晰な文章でスラスラと読める。

私などは毎日のように駄文を綴っているがよく分からないことをさも知ったかのように書いてしまうことが少なくない。
龍樹の「中論」は中村元が東大の卒業論文でとりあげたものである。

「四十五年もの間にわたってナーガルージュの思想取り組んできた」

と言われるだけあって知悉したテーマを縦横に、平明に解いていこうという中村元の姿勢が堪らない。


いくらテクニックがあってもイマジネーションがなければ
舞姫第2部2巻」キミホ・ハルバートのインタビューより


息抜きはブックオフオンラインから届いた山岸涼子舞姫テレプシコーラ第2部2巻」を。
ローザンヌバレエコンクールでの奮闘、アクシデント、出会い…ただもう面白い。

最近、アマゾンとブックオフオンラインを比較しながら本を買うことが多い。
アマゾンのブックレビューには参考になるコメントが多くて、時々眼から鱗の落ちるような素晴らしい内容のレビューもある。

本の値段はブックオフのほうが安いことが多いのだが、中身を見ずに買って失敗することも時々ある。

単行本を文庫化する時にタイトルが変わることがままあって、文庫本を買って手元に届いたら既に単行本を持っていた…というパターン。これはちょっと悔しい。

尤も田舎暮らしの本好きにはこの2つは外せない。どのくらい恩恵を受けているか分からないのである。最も簡単に買えすぎてしまうのも弊害がある。アマゾンに至ってはワンクリックで本が買えるシステムになっている。どんどん未読の本がたまっていくのも嬉しいいやら困ったやら…
「アマゾンは危険な密林」というのが自分への戒めの言葉である。


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