涙そうそう
【Youtube漂流記】
寒の戻りで少し寒い。今日は一日中小雨が降っていた。
夕食後、何気なくキッチンで歯を磨いていたら。視線を感じた。バウンサーに寝かされていた赤ん坊が物凄い真剣な顔でこちらを見ているのである。魂を奪われるようなガン見である。7ヶ月になって外界のことが少しづつ分かってきたのだろうが、歯を磨くという行為がよほど珍しいものに見えたらしい。
「コノ人ハ一体何ヲシテイルノカシラ?棒ノヨウナ物ヲ口ニ出シタリ入レタリシテレタリシテルケド」
とでも言いたげな表情だった。
ここ数日、車の中で夏川りみの「涙そうそう」を繰り返し聞いている。
田舎の景色にはこの歌が似合う気がする。
優しげでそれでいて芯の強さもあってこの歌を聴くと元気になる。
嬉しいときも悲しいときも涙が出る。
当たり前と言えば当たり前だがそんなことが新鮮に感じられる歌である。
昨日、仏像を見たいという若者がお寺にやってきた。最近、若い人がお寺に来られることが多い。
肌が綺麗で20代前半に見えた。高そうな革ジャンを着て、髪を綺麗にセットしていた。少し古い例えだがジェームズ・ディーンのようだった。
「お若いにのお寺がお好きなんですか?」と不躾なことを聞いたら、真面目な顔で「癒されるんです」という答えだったので笑ってはいけないと思いながら少し笑ってしまった。
仏像について説明しながらこの若者がどんな生活をしているのかなといろいろ想像した。
帰り際に自分は自衛官で舞鶴に寄航しているのだと若者が言った。
そう言われて「あたご」という護衛艦が入港しているのを思い出した。
10代や20代の若者を話すと自分が随分歳をとったと感じることがある。
そして若い人の自殺や、若い夫婦が子育てに失敗して子供を虐待したといった話を聞くと少し憂鬱になる。
昨日の若者は良い意味での稚気があって、子供のような若さと社会人としての仕事の重さの両方を感じられた。久しぶりに若さというものをちょっと素敵だなと思った。
にほんブログ村←丹後の山寺に住む副住職に応援のクリックをポチッとおねがいします(^人^)