「うつ病をなおす」

【お知らせ】

昨日、HPを少々更新致しました。
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【山寺の本棚】

うつ病をなおす (講談社現代新書)

うつ病をなおす (講談社現代新書)

久々に良書と呼べる一冊に巡り合った。

良書というのはいろいろあるがひとつのテーマについて分かりやすく、誠実に書かれているという意味で、まさしく良書である。

臨床経験豊富な医師によって実に分かりやすく、読みやすく書かれたうつ病の入門書である。タイトルは「うつ病をなおす」とあるが正確には「うつ病を治すために最低限何を知っておくべきか」というのが本書である。

本書によれば自殺の6〜7割がうつ病と関わりがあるという。

自殺者をこれ以上増やさないことを私たちが本気で考えるならうつ病について最低限の知識が必要ではないかと思う。


いろいろ面白い記述があった。

「大うつ病」という専門用語があるそうである。

ふつう「大うつ病」と聞くと、「うつ病」のもっとすごいヤツみたいに思ってしまうがそうではないのだという。「大うつ病」というのは英語の「メジャー・デプレッション」の訳語なのだが、メジャリーグを大リーグと訳した要領で「大」という言葉を使ってしまったらしい。
この場合の「メジャー」は「主な」「中心になる」という意味らしいが、診断した医師に

「あなたは『大うつ病』です」

などと宣告された患者さんはかなりショックに違いない。どう考えても誤訳である。翻訳した人物は「大うつけ」のそしりを免れないだろう…

うつ病については根本的原因や根本的治療法がまだ見つかっていないようだが、そこの心や身体の不思議を感じると同時に、分からないなりに研究者や治療者が試行錯誤を重ねて、大きな成果をあげつつあることが見て取れる。


昨年、子供を授かって、<生命>というものへの見方が少し変わった気がする。

<生命>が傷つけられたり、脅かされたり、失われたりすることを見聞きすると心の深いところが揺らされる気がする。

日本人が心と身体への知見を深めて、これ以上を生命を損なわない社会を築いてほしいと願わずにはいられない。


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