座禅会とドラム缶風呂

昨日は地元の禅寺の座禅会に参加した。

ご住職は私と同年ながら昨年、普山式を経て正式に一山の住持となられた方である。

私の宗派は真言宗だが、思うところあってこれからは機会があれば座禅に取り組みたいと思っている。

このご住職は当地に来られて2年ほどである。

何かのきっかけでお話したら私が読んだ本を何十冊も読んでおられて、意気投合した。時々御遭いしていろいろお話するのを楽しみにしている。

座禅会は夜7時から行われた。お寺は海を見下ろす小高い山の中腹にあり、とても閑静な佇まいである。
今回の参加者は私と檀家さんの女性が一人。

新築されて間もない本堂は新しい木の香りがした。
座っていると普段の喧騒に支配された心が少しずつ変容していくのが感じられる。濁った水の汚れが澱として底に沈み、汚れた水が澄んでくるようなものだろうか。

遠くから蛙の声と風の音が聞こえた。近くの竹林から時折、竹の爆ぜる音が聞こえ。鋭い、澄んだ音がとても心地よかった。


2時間あまりの座禅会が終わるころには陽は完全に落ちていた。

以前にご住職がドラム缶でお風呂を沸かして入っておられると聞いたので、一度入ってみたいと言っていたら、今回はわざわざ私のために沸かして下さった。

ドラム缶のお風呂は庫裏の裏手に置かれていた。
薪はご住職が裏山から切り出した雑木や竹である。

日が完全に暮れていて、庫裏の電灯の明かりをたよりに暗がりの中にあるドラム缶のお風呂に入った。
私の住む山寺のお風呂もボイラーがついているが、薪で焚けるようになって、やはりお湯の感じがよく似ていた。

お湯に浸かっていると近くの草むらで蛍が一匹光っていた。今年初めて見る蛍だった。

ドラム缶風呂には丸太で出来た専用の椅子が沈められていて、これに座って、じんわりとしたお湯の熱を楽しんでいるうちにいつの間にか蛍の数が増えて、お風呂から上がる頃には蛍は10匹近くに増えていた。


お風呂上りに麦茶を頂きながら。いろんな話をしたが、話が尽きずその晩は禅寺に泊めて頂いた。

なんとも清々しい体験をさせて頂いてとても感謝している。
座禅はとても良いものである。そしてドラム缶のお風呂も。



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