ご先祖様の居場所

いつもコメントを頂くみのり様から

お盆はご先祖様が家に帰ってくるのに、どうしてお墓にお参りするのか?

というご質問を頂いた。

ではご先祖様はどこにいるのか?

これはなかなか興味あるご質問だと思う。



お墓にいるのか?
あの世にいるのか?
お仏壇にいるのか?

このことは改めて考えるとなかなか面白い。

結論を言うなら、亡くなった方は感応する存在ということである。
つまり、心を向けたら心が通じるということなのである。

位牌も、お仏壇も、お墓も、その手掛かりとなる存在だと思う。
まして、故人もこれらを大事にされていれば、そのことで一層、気持が通じやすくなる。

私たちが自分の子供や孫が可愛いように、ご先祖様のにとって子孫である私たちはとても大切な存在である。
ご先祖様がこちらに心を向けても、私たちが心を向けなければ、心は通じにくい。
お盆という特別な時期に人々が一斉に、自分のご先祖様を意識し、ご先祖様に心を向けるという時間の中で、私たちは一層、ご先祖様を感じることができる。

もうひとつ大切なことは、お盆や彼岸といった特別な時期を設けることで、人々はお墓に参ったり、お墓を掃除したりといったことをしやすくなる。このことも大切なことである。
こういった特別な時期があるおかげで、「お盆やお彼岸くらいお墓の掃除しなきゃ」といった意識が生まれるのである。これもとても大事なことである。

お盆にはご先祖様は家におられると思っていい。

ただ日本人はとりわけ故人の遺骨に対する、特別な感情がある。
お墓というお骨を収めた場所に詣でることで、ご先祖様や故人とのつながりを一層、強く感じることができる。

そして多くの場合、お盆には故郷を離れていた人たちが帰省する時期である。
故郷に帰省してお墓参りをすのはとても大切なことであるし、またとても素晴らしいことである。
故人は感応の存在であるから、お仏壇で手を合わせても、お墓で手を合わせても、心を向け、心を通わせることができる。


後、数日で本格的に棚経が始まるが、時間の制約があって、檀家さんとゆっくりお話する時間がない。本来なら、お盆に家を訪れたその時こそ、お寺に関わる、様々なことをお話する時間なのだが、なかなか難しい。

四季社という宗教関係の出版社が『「お盆」のQ&A』という20ページほどの小冊子をを出版しているのを見つけた。今年は棚経に伺ったお宅にこの冊子を差し上げて読んでもらおうと思っている。ゆっくお話できないので苦肉の策である。


ブログランキ

ング・にほんブログ村へ
にほんブログ村←丹後の山寺に住む副住職に応援のクリックをポチッとおねがいします(^人^)1クリックで1000番くらい全体の順位が変わりますので貴重な1票を宜しくお願いいたします!このブログの大半は個人的などーでもいい喜怒哀楽と雑事ですが、できればこのブログを通じて仏教やお寺というものに理解を深めて頂けたら…と思っております。ランキングの順位が上がるほどいろんな方に見ていただくチャンスが増えますので、ご協力頂ければ幸いに思います。合掌