野生の生き物たちと山寺


数日前に兼務している多禰寺という山寺に行こうとする、道の真ん中でイノシシの子供が車に轢かれて死んでいた。体長は50センチほどで身体に瓜のような縞模様がある。いわゆるウリ坊である。

少し前は大きなイノシシが車に撥ねられて死んだら、暫くしてウリ坊が8匹もどこからかやってきたという。死んだイノシシの子供なのだろうが、8匹とは多い。そしてやっぱり可哀想と思わずにはいられない。

野生の生き物が車に撥ねられることを良く聞く。

身体の大きなイノシシだと軽自動車くらい横転させてしまうし、車の損害も数十万円に及ぶことはザラである。人間にとっても被害が大きい。

最近は多禰寺をお手伝い頂いている檀家の方が、道路を熊が横切っているのを見かけたと報告してくれた。今年の酷暑で山の木の実が少なくなって、熊が里に下りてきているともいわれている。

大人より大きな熊だったとのことで少し警戒が必要である。
熊の被害で良く聞くのはミツバチが古い家屋に巣を作り、蜜を採りに来た熊が建物を壊してしまうことである。多禰寺も何年か前に土蔵に大穴を開けられたことがある。

庫裏の横の山の斜面に栗の木があり、一昨日は朝から大きなはぐれ猿が栗を採りにきていた。
昨年死んだトモという大型犬は猿を見つけるとどこまでも追いかけていく優秀な番犬だったが、残されたコーギー犬のバロンは気性は荒いのだが、脚の短い犬種の悲しさで山の中まで追い続けることができない。


住職に猿が栗を取りにきたと告げて夕方、見に行くと、栗の木の回り半径10メートルほどの雑木が切り払われていた。よほど腹が立ったに違いない。

ただ警戒心の強いイノシシの場合は姿を隠せないように周囲の雑木を刈り払うと、被害を減らせるが猿についてはあまり効果が無い。ご苦労なことである…

昨年のお盆は関西野生生物研究所からの依頼で野生生物供養の塔婆供養をした。

今年は口蹄疫で大勢の牛が殺処分された、そのことを思い出してなんだか野生生物だけ供養するのも不公平な気がしてお盆は動物の供養はやらずに終わってしまった。人間に命を奪われる悲しさは家畜も野生動物もあまり変わりがないことに気がついた。
しかし野生生物の被害は確実に過疎や農業の不振につながっている。なかなか難しい問題であると思う。

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