「住職、大変です!」

本日の午前中は兼務している多禰寺(真言宗東寺派)の八十八か所巡りの日である。

日曜日というのにお参りは10人ほど、いくらなんでもちょっと参加者が少ない。
前住職である老僧の時分は20人近くお参りがあったので住職である私の人徳の無さを反省…
天候が心配されたが2時間半ほどの山歩きを終わって本堂でお勤めするくらいから本格的に雨が降り出した。雨の中での山歩きにならなかったのは幸いだった。
曇天のおかげで暑すぎず心地良い山歩きだった。

午後は3時からは同じく兼務している観音寺(真言宗御室派)というお寺で秋の法要。

2時ころ山寺でくつろいでいると総代さんから電話があった。この総代さんは豪放磊落、誠に面倒見がよく、実に頼りになる存在である。


「住職、大変です!」

と総代氏が言うので、さては法要の開始時間を間違えたかとドキッとしたが違った…

観音寺に行く途中の山道に猟師さんがイノシシ捕獲用の檻を設置していたのだが、その檻に小熊が掛ってしまった。
地元の方が小熊に気がついて檻に近付くと、周囲にいた母熊が出て来て

「ガァァオオオオオオオオオオ」

と物凄い勢いで威嚇してきたとのこと。
母熊は依然、檻の周辺にいるようなので、お寺までの道路は大変危険な状態とのこと。
小熊が危険にさらされた母熊ほど怖いものは無い…

「住職、山道では絶対に車から出ないでください!」

と総代氏。

ってどんなけ危ない寺ですか…

エライことになったと思いつつ法要の準備をして観音寺へ。
小熊の写真でも撮ってブログのネタに…などとさもしいことを考えカメラを準備。

檻は道路から見える位置にあるのを知っていたので、いけないとは思いつつ、そのあたりで一旦車をとめ窓越しに檻を見ると熊は居ない…空の檻があるだけである。
さては別の檻に掛ったのかと少し残念に思ったが、車から出て当たりを探すのは、さすがに危険すぎるので、観音寺へ向かった。
総代氏はすでに法要の準備をしてくれていて、事情を聴くと小熊を山へ逃がしたとのこと。

檀家さんの一人である地元の猟師さんが小熊を檻から出して、何発か花火を打って脅かして山へ追いやったとのこと。檻に入れておくよりは確かに安全である。

私も誤って檻に掛った鹿を逃がすのを手伝ったことがあるが、手負いの動物はかなり危険。本職とはいえ、猟師さんもさぞご苦労なことだと思った。

明日は松尾寺(西国観音霊場29番札所)で観音講という秋の大祭がある。
外で柴燈護摩を焚くのだが天気は朝から雨模様なので少々心配である。

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