ムササビの栓抜き 対アライグマ2段攻撃 魔法の竹パウダー

11月の後片付けのため、境内のあちこちで作業していて気がついた。

境内のいろんな場所がイノシシに掘り返されている…
庫裏のすぐ真横から、本堂近辺までとにかく境内の至るところである。

本堂に張った五色幕をしまっていて、本堂の裏手の柱に無数のひっかき傷を確認。
以前から気付いていたが、改めてその痕跡の多さに愕然。

本堂番をお世話になった檀家さんによればアライグマではなくてムササビではないかとのこと。キズが少し細かすぎるというのがこの檀家さんの主張である。
確かにこの近辺にもムササビは多い。

本堂前にひと抱えもあるもみじの大木があったのだが、枯れはじめた。
このままでは参道に倒壊する危険があるというので山仕事の得意な檀家さんに切り倒してもらった。切り倒してみると、この大木は中が空洞になっていて、中からムササビが飛び出してきたそうである。ムササビは飛膜を広げて山の中に飛んで行ったとのこと。ちょっと見てみたかった…

ちなみにムササビのメスはメス同士で1ヘクタールほどの縄張りを持つが、オスは縄張りをもたずオス同士でメスをめぐって争うのだそうである。オスは射精後に交尾栓というたんぱく質でできた物質を放出して、この交尾栓がメスの膣内で固まることで受精する確率を高めるのだという(笑)ところがムササビの陰茎は栓抜きのような形をしていて、自分の前に交尾したオスの交尾栓を抜いて交尾するのだという。かなり面白い生態である。

栓抜き型って…見てみたい。

本堂の柱が気になったので、痕跡の多い柱2本に木酢液を入れた缶と衝撃を受けると警報のなるアラームをセットしてみた。

木酢はペットボトルに入れようと思ったのだが、口の面積が狭いことに気がついた。肝心の刺激臭があまり拡散しない気がしたのである。
ひっくり返されて床が木酢だらけになるにもいかがなものか。
ごみ箱にシーチキンの缶があったので採用。
口が広くて臭いが拡散しやすそうだし、安定しているのではないかと思うのだが。

アラームはホームセンターで賽銭泥棒対策に買ったものを転用。
価格は1000円程度である。衝撃を受けると100db以上の音響が鳴る…はず。
アラームの設置方法はもう一工夫ほしいところだが、今回は仮置きということで。
アラームに慌てふためいて逃げ出すアライグマを想像してにんまりしているのだが効果は果たして…


本日の京都新聞舞鶴NPO「手作りの里かわなべ」の活動が紹介されていた。

この活動の中心になっているのは兼務している観音寺というお寺の檀家さんである。
放置竹林を伐採して粉末状にして乳酸発酵させてから土壌にまくことで、いろんな効果が得られる。
記事によれば竹パウダーを使ったサツマイモ栽培でひと株あたり5、6キロのサツマイモが獲れたそうである。
竹パウダーは木炭などと同じで応用範囲が広く、放置竹林対策にもなる。
かなり有望な活動ではないかと注目しているし、是非応援したいと思っている。

【関連記事】http://www.kyoto-np.co.jp/environment/article/20101201000063

記事をよく読むと、植えたサツマイモの内3割がイノシシの被害にあったという。
竹パウダーで収穫量が増えても、獣害に遭っては意味がないではないか。

これからの農業政策は獣害をいかに防ぐかという点が重要であるという気がする。
専門家、行政、現場の方々を巻き込んで獣害対策を真剣に考えて頂きたいものである。

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