さまざまの事思ひだす桜かな
さまざまの 事思ひ出す 桜かな 芭蕉
芭蕉の名句である。
春が来るたびにこの句のことを思い出す日本人は多いだろう。
日本人にとって春は始まりの季節である。
桜に時期になるといつも思い出す光景がある。
大学に入学した春、キャンパスの桜が満開だった。
桜の枝が手の届くほど垂れている場所があり、ふと見ると、飲み終わった紙コップが桜の花に被せてあった。
その様子が何とも無様で、桜が貶められているような気がしたが、なぜかその時、私はその紙コップを取ろうとはしなった。気恥しかったのかもしれない。今ならそんなものを見れば、さっさと取りのけてしまう。それができなかったことが今でも少し悔しい気がする。
長い人生のなかではなんということの無い、ごくごく些細な記憶なのだが、そのことを何故か毎年思い出す。記憶というのは不思議なものである。
桜は年々歳々違って見える。
大震災という巨大な災禍を迎えた日本人にとって今年の桜は忘れられないものになるだろう。
この歳になると花見をする機会も無いが、あちこちで花見の自粛が相次いでいることが少し残念である。
被災者や故人の方に哀悼の念を抱くことは大切だが、自粛による経済の低迷は復興を妨げることに他ならない。
どんどん働いて、どんどんお金を使い、どんどん遊ぶことで経済が活性化することは自明のことである。
花見も多いに結構ではないか。
花を貶めるような花見は願い下げだが、花のもとで親交を深めるというのは素晴らしい習俗である。
素敵な花見をして日本が益々元気になって頂きたいものである。合掌
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