夏の空色 山寺のビームサーベル 深沙大将の属性の謎



地元の信者さんからトマトと人参の差し入れを頂きました。

人参は妻がシチューにしてくれましたが「これぞ大地の恵み!」という素晴らしい味でした。





空の色が夏めいてきました。

夕方になると、空は刻々と不思議な魅力的な色に姿を変えて行きます。

夏の夕方、しばし空を眺めるのが日課です。




兼務寺院の多禰寺に4メートル近い仁王像が納められているのですが、収蔵庫の蛍光燈が幾つか切れてしまい、収蔵庫内が薄暗くなっています。

天井の蛍光灯を変えるには足場を組まねばならず推定で20万!くらいかかりそう…

というわけで市販のLED照明を使って、足元から照らせないか研究中。
こればかりは現物を買わないと話にならないので、ネットで調べてはこれはという照明器具をいくつも購入。

掘り出し物だと思ったのが下記の商品。


『サンジェルマン ジェントスザ・LED強力ライト LK−014L』


アマゾンで3000円くらいでしたが、最大200ルーメンの明るさ。

単1アルカリ電池4本(エネループ使用可)で20時間点灯。台座が付属していて最大55度まで照らせる。
理論上の照射距離247メートル…というのは少し大げさですが、本堂に続く100段以上の石段下から本堂までしっかり照らせたのには驚きました。

空にむければビューッと光が伸びて…


ビームサーベル状態!


ビームが細すぎて仁王さんを照らすには少し物足りないのですが、これがあると夜間に動物の気配を感じた時に威嚇できそう。
なかなかお買い得な品物だと思います。もうすぐ林間学校なので早速持っていこうと思います。




曼荼羅イコノロジー

曼荼羅イコノロジー



仏教にしろ、密教にしろ、勉強すればするほど分からなくなるし、また面白い。

古代インドの曼荼羅は土壇の上に彩色した砂などで描き、必要が無くなると壊してしまうものであった。
砂で仏を描こうとすると細部の表現は難しく、仏を描き分けるに、仏の容姿を丹念に描くより、梵字や三昧耶形(仏の持ち物や器物)で描く方がはるかに書きやすいということである。

仏をその容姿で表すのではなく、梵字や三昧耶形で表すことに必要以上に神秘性を感じる人がいるが、そのほうが便利で描きやすかったという視点を持つべきだというのが田中公明氏の主張である。

よく「××属性」という表現する方がありますが(笑)、仏像の場合はその仏の持ち物や印明が仏の属性を表すということである。

執金剛神は金剛杵を持ち、この金剛杵がこの仏の属性そのものをあらわしているわけである。

<戦士>を表すのに持ち物の<剣>で表すと考えたら分かりやすいかもしれない。


後、数日で当山の深沙大将が奈良博に出展されるが、深沙大将の持っているのは蛇である。
<蛇属性>とは何かというと、どう考えても<水>しかない。

深沙大将は砂漠を往来する人々に信仰された痕跡があるが、砂漠で水を失うことは正に死を意味する。

深沙大将というと象皮や髑髏の首飾のほうについつい眼を奪われるが、持ち物がその仏の属性を表すという原則に従えが、深沙大将は水を司ることになる。

仏像研究というのはそれだけで巨大な領域だが、仏像を間近にみてあれこれ考えをめぐらせることができるのはやはり冥利というべきだろう。


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「生きがいの創造」シリーズの著者である飯田史彦先生の講演会を舞鶴で開催することが決定いましました。
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[決定版]生きがいの創造

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当山所蔵の快慶作“深沙大将立像”は7月16日から28日まで奈良の国立博物館に出展されます。その前後は不在となりますので、当山の仏像を拝観希望される方は御留意下さいませ。7月11日に搬出の予定です。
『天竺へ 三蔵法師3万キロの旅』
http://www.narahaku.go.jp/exhibition/2011toku/tenjiku/tenjiku_index.html