幸せの数え方
お盆を過ぎて、少し日常が戻った気がする。
本日は京都市内でホームレスさんの自立支援活動のお手伝い。
普段は衣類などを配ったり、食事を提供したりするのだが、本日は“夏祭り”である。
ホールを借り切って縁日風の出し物、盆踊りを行う。
もちろん食事を提供したり、衣服などを配ったりもするのだが、いつもと違う和やかな雰囲気を楽しんでもらい、郷愁を感じたり、童心に還ってもらうことで心を癒してあげたいというのが主催者の趣旨である。
各地の名産品を並べたコーナーもある。
ホームレスといっても様々な出身地の方が居るのでいろんな都道府県の名産品を並べると、思いがけず自分の出身地の品物を見つけてそこから心がほぐれることもある。
支援者がいろんな物品を持ち寄ってホームレスの方に配る。
衣類や食品が多いが、私はお寺の畑で老僧の作った満願寺とうがらしや胡瓜を持って行った。
この活動も10年以上続いていて当初は余り身なりの良くなかったホームレスさんも毎月のように衣服を配布しているうちに外見は全くといっていいほど普通の人である。
ホームレスの人と話していると、いろんな人生を背負ってきた人々に触れることで私自身触発されたり、癒されたりすることが多い。
大半はごく普通の人である、それがちょっとした人生の歯車のかみ合わせの悪さから居心地の悪い立場に居るのである。
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帰りに地元の中古書店「復活書房」に寄って田中公明「チベット密教」を見つけて購入。
近くの棚に「幸せは数えると増える」…そんなタイトルの本は置いてあった。
『幸せは数えると増える』…なかなか含蓄のある言葉である、ならば『不幸せは数えると増える』とも言えるかもしれない。
私達は自分の不幸にはよく気付くが、幸せには気付くことが少ない。
他人と比較して自分の不足を嘆く前に、まず自分の人生において満たされているものに気付くというのは立派な態度ではないだろうか。
山寺に帰って、風呂で汗を流し、夕餉の残り少々。
そうしたなんということのないこともやっぱり有難いのだなと思った。
家があり、家族があるということが、自分にとって大きな心のよりどころになっているということに改めて気付くことがある。そのことはしみじみ有難いことである。
明日は不動講。
毎月、28日に本堂で地元の信者さんを中心にささやかな勤行の会がある。
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