お不動様のおへそ

本日は曇り時々晴れ。やや風が強い

久しぶりの好天だが参拝者は極めて少ないので暇を持て余す…

ちょうどアマゾンのマーケットプレイスで購入した2冊が届いたのでパラ読み。


日本海域の古代史

日本海域の古代史



渡辺照宏不動明王


高名な碩学の書かれたものなのでハズレは無かろうと思って注文した。
一般向けに不動明王を論じたものだが大変貴重な内容を含む良書である。

記述は平明で分かりやすい。

平安文学にあらわれた不動明王不動明王と関わりの深い高僧や歴史上の人物達、仏像としての不動明王、芸能との関係、時代ごとの信仰の変遷、インド密教と関係、などなど縦横無尽に語られていて飽きない。

著者の博覧強記は素晴らしく、多くの事例についてサンスクリットチベット語、諸経典を自在に引用して解説を積み重ねている。

恥ずかしながらお不動様は他の仏像と同じ様に薄い布を纏って右肩をはだけられて居られるのだと思い込んでいたのだが、お不動様の上半身は帯を左肩に掛けて、右脇腹に廻している。つまり裸体に細い帯を巻いただけなのである。


不動明王―慈悲にあふれた如来の怒れる化身 (神仏のかたちシリーズ)

不動明王―慈悲にあふれた如来の怒れる化身 (神仏のかたちシリーズ)


確かに先日買った学研の「不動明王」を見ると大概の像はそのようになっていた。
全体を覆う衣ではないので正面から見るとおへそが見えるようになっている。


同書によればインドの風習として師に入門するとウパヴィータ(「ヤジュニヤ=ウパヴィータ」とも言われる)という細帯のような憲章を掛けてもらい身分を示したという。※

こうした習俗はインドでは当然の風習であるから格別記載されないことが多いが、現代の日本人には未知の存在である。


経典などには仏の持ち物や衣装が詳述されていることがあるが、このように往時に普通のものについては記載されないこともある。
これなど私達にとって盲点と言えるかもしれない。


※学研の「不動明王」によればこの細帯状のものは「条帛」と記されている。
仏像マニアの方々には言わずもがなでしょうが。


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