「ザ・パシフィック」 マッカーサーの呪い

【通常版】 THE PACIFIC / ザ・パシフィック コンプリート・ボックス [DVD]

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正月早々「ザ・パシフィック」のvol.4、vol.5をレンタル。



太平洋での戦闘を描く本作もいよいよペリリュー島硫黄島沖縄戦という佳境に入る。



ペリリュー島硫黄島も日本軍は島嶼全体を要塞化して徹底的な抵抗戦を行った。
スピルバーグ監督の映像からはそういった複雑さが伝わってこないのが少し残念である。



ペリリュー島戦記―珊瑚礁の小島で海兵隊員が見た真実の恐怖 (光人社NF文庫)

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そしてVol3からのペリリュー戦はハラスの「ペリリュー島戦記」と比べると、後者のほうに軍配が上がる気がする。



戦闘とは数万に及ぶ無数の兵士のエピソードの集積であるが、映画は特定の主人公の物語に終始してしまう。


その点、ハラスは膨大な兵士へのインタビューや戦闘の記録を編集して、ペリリュー島での日米の激戦を描写することに成功している。





「ザ・パシフィック」には米兵がまだ生きている日本兵から金歯を抜きとろうとするシーンがある。



それは当時、ありふれた光景だったのだろうが日本人として正視に堪えないものがある。



時々、アメリカから日本に大戦当時の遺品が返還されたという“美談”が報道されることがある。



戦後、半世紀以上を経て日本兵士の持ち物だった日章旗が遺族に返還された…といった類である。




「ザ・パシフィック」やハラスの戦記を読んでいると“記念品”をあさる米兵の姿が頻繁に描かれる。


米兵が日本兵の死体からピストル、日本刀などの装備品などをあさり、祖国への土産とし、また売買、交換するのである。
時に日本兵の死体の一部や頭蓋骨までもが記念品にされたという。日章旗なども典型的な記念品だった。


このことが美談の背後にある事実なのであろう。


もちろん日本人自身がそうした行為をなさなかったというつもりはない。
ただ、知れば知るほど戦争という野蛮さには正視に堪えない行為が横溢している。



そもそも日本人は未だ先の大戦を総括し終えていないのではないだろうか。



日本人は東京裁判をはじめとする戦勝国に強制された視点でしか自国の戦争を見ることができないからである。
このことは日本人の価値観を大きく歪めてしまっている。



マッカーサーの呪いから目覚めよ日本人!

マッカーサーの呪いから目覚めよ日本人!



密林から「マッカーサーの呪い」(桜の花出版)が届いた。


マッカーサーの呪い」といってもオカルト的なものではない(笑)



日本はアメリカと交戦する前からその戦略において敗北を喫し、戦後もアメリカの仕掛けた思想戦、情報戦において敗北しているとする極めて知的な内容である。日本がアメリカの国益の犠牲となり、現在も正常な国家観を奪われていることを著者は論じている。



著者は3人の在米日本人(目良浩一、井上擁雄、今森貞夫)であり、その視点は非常に斬新であるだけでなく、在米者ならではの知見が多く織り込まれている。そして正しい意味での愛国心を感じる。






日本が真珠湾攻撃によって日米開戦に至ったとされるが、実はそれ以前にアメリカ空軍が義勇兵の名目で日本軍と交戦していることは殆ど知られていない。フライングタイガースと呼ばれる空軍の活動である。



日本の真珠湾攻撃アメリカはスニークアタック(騙し討ち)と喧伝したが、アメリカは正規兵に義遊軍の体裁をとらせて日本軍と交戦させた。こっちのほうがスニーク(狡猾)ではないだろうか。





東京裁判に裁判官を出しているソ連は65万人とも言われる日本兵をシベリアに抑留した。



シベリア抑留は戦争捕虜であると思われがちだが、そうではない。



1945年にスターリンが出した「9898号通達」は労働に耐える日本人50万人をソ連領内に連行することを指示したものである。
そして日本人の収容所の大半は建設予定の鉄道沿線に夥しい数が配置されている。



ソ連は捕虜を労働に酷使したのではなく、スターリンは当初から50万人もの日本人を労働力として使用することが目的だったのである。その規模の大きさと非道さでは類を見ない。



東京裁判の価値観に照らせばアメリカも、ソ連も間違いなく連合国が日本を裁いた「平和に対する罪」「人道に対する罪」といった諸々の罪科に十分匹敵する行為を為しているのである。



世界は未だ強者が弱者を支配するという帝国主義の時代と本質において大きな違いはない。



今年も世界は様々な波乱の中にあるだろが、日本人がもっと純粋に、誇りある再生を為して欲しいと願うばかりである。そのためも日本人は少しでも過去の戦争について正しく知るべきではないかと思うのだが。



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