余寒尚… 古代の朱 君が袖ふる 

昨日はパソコンの調子が悪く、ごたごたしているうちに更新しようとしたブログの記事を消してしまった。無念…


昨日は厳しい余寒の1日。


兼務寺院に出かけると約10センチの積雪。



時々晴れると青空と雪のコントラストが鮮やかだったが、
そんなことは稀で1日曇りが続いた。時々強く吹雪く。


雪の大好きな娘はお風呂に入ると、妻に雪の塊りを差し入れてもらい浴槽の中で遊ぶ。


それは構わないが…


雪の塊りを私の胸に押し当てるのはやめてくれ!心臓がとまりそうになる…


古代の朱 (ちくま学芸文庫)

古代の朱 (ちくま学芸文庫)


松田壽男「古代の朱」が密林の古書で値下がりしたので購入。

内容をパラ読みするとちょうど関心のあるテーマについてしっかり書いてある。

こうなると読むのも惜しいくらいでワクワクしている。

こんなことが書いてある


水銀およびその原料たる辰砂(朱砂、丹砂)は古来、金属精錬、鍍金、医薬、化粧品などに広く用いられた重要な金属資源である。奈良の大仏が大量の水銀を使って金鍍金されたのはつとに知られている。本書の原型である大著「丹生の研究」は、その水銀を歴史学の対象とする未曾有の試みだった。地名・神社名を史料として用いるという卓抜な発想と徹底的なフィールドワークによって解明される、古代の金属文化、日本ミイラの特異性、採鉱技術者集団とその信仰などはきわめて示唆に富む。


日本史研究では長らく稲作を中心とした農業を大きくとりあげる傾向があったが、鉱業や工業生産、流通などは未開拓の分野が多い。


当地にも「大丹生」(おおにゅう)など丹の生産に関わったとみられる地名が幾つもあり、仏教とも大いに関わっていたはずである。


景観から歴史を読む―地図を解く楽しみ (NHK人間大学)

景観から歴史を読む―地図を解く楽しみ (NHK人間大学)


歴史ネタで最近眼からウロコだったことがあった。


足利健亮「景観から歴史を読む 地図を解くたのしみ」はNHK人間大学のテキストだが、そのなかに「野とは何か」という一節があった。

<野>というのは農業的な価値の少ない原野や荒蕪地であるというイメージがあったのだが、このなかに<野>には天皇の遊猟地もあったこと、またなんらかの祭祀が行われたことも示唆されていた。

国文系の授業で必ずとぃってよいくらい習う万葉集の歌がある


あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る 


ここに出てくる野守(のもり)という言葉は「野の番人」とされることが多いが、<野>を守るということは<野>に守られるだけの価値がなくてはならいことになる。

知人の家系はかなり古い由緒を持つのだが、屋号が『野守(のがみ)』なのである。

恐らく禁猟地である<野>の番人と関係があるはずだが、万葉集に出てくる「野守」という言葉が屋号として残っているというのは興味をそそられる。


【この時期に聴くとせつなくなる歌です】


 ブログランキ

ング・にほんブログ村へ
にほんブログ村←いつもご訪問ありがとうございます!
丹後の山寺の住職に応援のクリックをポチッとおねがいします(^人^)






.