山里の法要にて 三波春夫の辞世の句



岩船寺の三重塔。鮮やかな色が周囲の自然に映える。】



本日は木津川の岩船寺で行われた法要に出仕。




同じ京都府と油断していたら結構な距離があることが判明。




後で聞いたら岩船寺の裏山がもう奈良県なのだという…





京都というのは何かの生き物が立ち上がったような形をしているが、
舞鶴が生き物の右肩なら岩船寺は尻尾の先くらいになるのである。




車の運転が苦手である。




地元の高速道路なら対面通行で1車線、しかも車も少ない。



カーナビに任せて走ったら4車線くらいの高速になり、ヒュンヒュン車線変更が行われる状況になり緊張しながら走る。



それでもカーナビのおかげで何とか岩船寺に到着。



運転の苦手な私はカーナビに感謝しております…




カーナビを作った人をハグしたいくらい。



亡くなっていたら永代供養してあげたい…




奈良市内を走っていたら「積徳運転」という巨大な看板が掲げられていた。さすがは奈良…




【当尾という地名はこの地に塔が沢山あったことにちなむという】


岩船寺の周囲は山里の風情ただようのどかなな場所である。




何か時間がゆっくり流れるような空気がある。




【山里の風情、無人販売所。ひとつ百円なり。】





山門をくぐれば本堂、池、三重塔などに織り成される景観に眼を奪われる。




ミツバツツジモクレンロウバイ、桜…




池には桜の花びらが浮かんでいる。その風情もまた佳し。




本堂の丈六の阿弥陀仏のなんと堂々としたお姿か。



自然に頭を垂れ合掌したくなる。




ご住職は表白を読まれると、鳥が鳴き始め、アトラクションの声楽家の奉納ではカエルまで声を合わせるように鳴き始めた。



山里の空気、伽藍の荘厳さ、周囲に咲き乱れる花、法要の厳かさ…それらが渾然一体となって本当に素晴らしい時間が流れた。




法要の後、女性の声楽家が歌の奉納。




曲の合間のトークの中で三波春夫さんのお話を聞き心に残った。



三波春夫さんという昭和を代表する歌手であると同時に大変な人格者であり、



その人間性も非凡な方だといろんなところで伺っていたが、




三波氏と親交のあった、その歌手の方が三波氏の辞世の句を教えて下さった。




逝く空に 桜の花が あれば佳し




なんと美しい辞世であろうかと、一瞬思考が停止した。





桜と辞世といえば西行法師の




願わくは花の下にて春死なん そのきさらぎの望月の頃




この歌が有名だが、西行の歌で私が好きなのは



春風の花を散らすと見る夢は覚めても胸のさわぐなりけり




桜の句とい言えばやはり芭蕉のこの句も。



さまざまのこと思い出す桜かな



それにしても三波氏の辞世はなんとも見事である。




改めて不出世の歌手のご冥福をお祈りした。



逝く空に 桜の花が あれば佳し






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