フリーマガジン「小浜線」極楽の余り風 出世の本懐
若狭高浜駅のとなりにある販売所にお供えの花を買いにいったら「小浜線」というフリーマガジンがおいてあった。
発行元は小浜線利用促進協議会。小浜線沿線の風物が取り上げられているのだが、デザイン担当は東雲デザインという敦賀の会社で「虹と雲」というフリーペーパーも作っておられる。私はなんだかこの会社の作品の雰囲気にとても惹かれるのである。(ちなみに社名は「とううんデザイン」ではなく「しののめデザイン」である)
【東雲デザイン】http://www.shinonome-design.com/
「虹と雲」は穏やかでありながら瑞々しい印象の写真や誌面がとても心地よい。
「小浜線」もカメラ女子の目線で捉えた沿線の風景が美しく綴られている。
加斗駅では駅舎に床屋が併設されているという記事があってちよっと面白かった。
取材に協力したご縁で献本して頂いた「絶対に訪ねたい!京都の仏像」という本を読んでいたら、みうらじゅんさんのエッセイが載っていた。
みうら氏は親戚の住まいが仁和寺の近いので、昔から仁和寺に行かれていたという。仁和寺で修行した身としてはちょっと親近感を覚える。
仁和寺の境内には中門があり、みうら氏はそこに座って味わう風を「極楽の余り風」と表現しておられらた。
面白い言葉だと思って調べると涼風のことを「極楽の余り風」ということがあるとのこと。
気持ちいいことを「極楽」というが、昔の人にとっては地獄や極楽というのは生活に溶け込んだ言葉だったのだろう。
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ブリはいい 生きてるだけで 出世する
という川柳がありますが、出世と言う言葉は普通は地位が上がったり名声を得ることを意味する。
施餓鬼が終ってようやく一息ついたところだが、施餓鬼法要の回向文の中に「出世の本懐」という表現があり、気になって「出世」という仏教用語について調べたら実にいろんな意味があった。
まず「出世」とは「出世間」と同じ意味とされる。
で、「出世間」とは
『この世の悩み・迷いから離れること。世俗を超越した仏道。また,その境地』
『出家すること』
さらには
『諸仏が衆生(しゆじよう)救済のためにこの世界に姿を現すこと。 』
特にお釈迦様がこの世にお生まれになられたことを出世という場合もあるようである。
やや特殊な使い方では
『比叡山で公卿の子息が剃髪(ていはつ)して僧となったこと。 』
『禅宗で僧が大寺院の住職となること。特に,勅許の紫衣道場の住職となること。 』
仏教用語というのはなかなか一筋縄ではゆかないのである。
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