談志師匠の凄みのある噺

 





「酒や煙草をやめるのは意志の弱いやつだ」(立川談志


「酒が人間を駄目にするのではない。酒は人間はもともと駄目だということを教えてくれるものだ。」(立川談志





談志という噺家はそんなに好きではなかったのだが、この動画を観て、やはり大した噺家であると畏敬の念を感じずにはいられない。




咽頭がんという大病を経ての高座に凄みのようなものを感じた。



マクラの軽快洒脱さ、



それに続く、分かる人だけ分かる?“落語メドレー”も…




談志師匠の落語というのは聞く人を選ぶようだ。




そこが私にはハードルが高い…



江戸や明治にはどの町内にも寄席があって庶民が毎晩、聴きに行くようなごく気楽な娯楽であったという。




談志師匠は常に落語について考えていた人だと思うが、談志師匠は落語について考えると同時に考えている自分をも常に意識しているところがある。




あるいは自分が落語の巧者であるという自意識…



その自意識の高さに私は気持ちが引けてしまう。





江戸時代には蕎麦も寿司も天ぷらも鰻も庶民が気軽に屋台で食べるような“ファーストフード”であったらしい。





それがいつの間にか高級料理に転じていった。ラーメンだってやたらと難しいことをいう人がいるではないか。「麺とスープが絡んでナンチャラカンチャラ…」(笑)私はそういうのはどうも面倒くさいと思ってしまうタチである。



落語ももっと気楽に、適当にぼんやりと聞いて時々、ふふっと笑う…それでイイのではないかと思うのであるが。




「金玉医者」とは何とも下世話なタイトルだが、きちんと聞くと人生観の深いところを揺さぶるような内容である。
(実在の医者がモデルだという)




私達はそれぞれに深い悩みを抱えている。その深刻さを笑い飛ばしてしまう突き抜けた達観のようなもの、宗教的な世界に踏み出すくらいのものがある。





バカボンのパパ的な、阿呆即聖人に転じるような凄さがある。




たまには落語もいいものである。





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