白山登拝 「山と高原地図 43 白山 荒島岳」
【白山山頂近くの室堂ビジターセンター】
日本の霊山、霊地とよばれるところに1度は巡ってみたいと思いながら、なかなか果たせずにいるのですが、この度、友人に誘われて白山に登ってきました。
白山は石川県、岐阜県にまたがる名山。
富士山、立山と並ぶ日本の三霊山とされている。
前日、金沢で1泊し、金沢から車で別当出会という登山口に向かう。
金沢から別当出会までの行程を少し甘くみていたのですが、道が分かりにくく何度も道に迷ってしまいました。
白山の山麓方面と反対方向の「白山市」への道路も「白山」と表記されていて全然違う方向に行ってしまったり…
「白山白河郷ホワイトロード」という名称の道路があり、これなら間違いないと思って走っていると…
これが白山ではなく白山を横手に見ながら白川郷へ抜ける道で再び時間をロス…
登山口方面への分岐点に表示が無いために全く違う方向へ向かうなどして3時間近くかけて登山口に到着。
この時点で既に疲れてます…
別当出会の登山口から登山を開始したのは11時頃でした。
白山への登山口・登山ルートは多数ありますが、最も一般的なのがこの別当出会から「砂防新道」という最短コースを通り、山頂の少し手前の「室堂ビジターセンター」を目指す。
ちなみに「室堂」とは一般的に修験者が宿泊したり祈祷する場所のこと。
(立山にも室堂という地名がある。信仰のある山には随所にこの地名があるらしい)
昔は普通の社寺へのお参りでもその社寺で宿泊することが多かったらしい、こうした山岳信仰では参詣者が山の社殿の近くに泊まることは広く行われたと思われる。
余談少々。参詣が宿泊を伴なう「参泊」の場合、神社や仏閣に泊まった時に神仏から夢を通じてなんらかの啓示を受けることも多かったようで、昔はこの「夢のお告げ」が大変に重要であったらしい。
知人に白山に登ると告げたところ、その知人が面白い体験談を話してくれた。
その知人は若い頃、大学の先輩と白山に登山したのだが、登山途中の休憩で2人はなぜか強烈な眠気を感じて眠ってしまったそうである。知人は非常に不思議な夢をみて目覚めたが、同行した先輩にその話をしたら、その先輩も全く同じ夢を見ていたことが分かったという…
この話を聞いて私もお何か夢のお告げがあるかと期待したのですが(笑)、残念ながら今回は夢のお告げはありませんでした…
白山の登山道は大変に整備されていて途中に休憩場所、避難小屋、トイレ、水場なども完備されている。
今回の登山で往復10時間近く歩きましたがゴミの類が殆どみられないのも素晴らしいことでした。宿泊場所にもゴミ箱の類は一切なく、登山者はゴミを持ち帰るのが原則になっています。これも大切なことだと改めて感じました。
【山頂を望む阿弥陀ガ原、白く見えるのは雪渓。】
普通の方よりは多分に時間をかけてゆっくりと登り、目的地の室堂ビジターセンターに着いたのは夕方5時を過ぎていました。
夕食の受付、売店の営業は5時半までとのことで私達は殆ど滑り込みセーフで夕食にありつけました。
同行した友人は20年前にも室堂に泊まったのですが食事が大変に粗悪だったとのことで、言われるままにコンビニでパンやおにぎりを買っていったのですが、食堂で頂いた夕食は十分なものでした。20年前よりは随分と待遇が改善されているようで有り難い。
ちなみにメニューはご飯、味噌汁、煮魚などのおかずが7品。
メインが煮魚かハンバーグか選べ、ご飯も好きなだけ食べられました。
山道を5時間余り登っての夕食ですから…
美味しくないはずがありません(笑)
これを食べるために登山したと言っていいくらいの美味しさです。
【夕食。特になめこの入った味噌汁は絶品でした。】
【夕陽に臨む登山者】
【今回は天候に恵まれ、美しい夕陽に出会えました。】
完全消灯は20時。
白山には豪華な宿泊施設もありますが私達はもちろん一番安いタイプ。
登山小屋では一般的ですが巨大な2段ベットで“集団雑魚寝”です。
疲れもあって就寝後すぐに眠りにおちたのですが、目が覚めたらまだ22時…
隣に見知らぬおじさんが寝ていて、よほど悲しい夢をみたのか…
すすり泣くような声で寝言を…
この人の人生に何があったのか知りませんがこれはキツイ(涙)
近くに他人が居るというのは身体が無意識に緊張するらしく、神経の太い私も落ち着きません。
御来光を見るために午前4時に起床しましたが、結局4時間ほどしか寝られませんでした。
白山山頂はビジターセンターから約40分。登山道も整備されていますが山頂はとにかく寒い…念のため持参したユニクロのダウンジャケットがなかったらどんな悲惨なことになっていたか。(ユニクロの薄手のダウンジャケットは小さく折りたたんで携帯でき、家で洗濯可能なので本当に役に立ちます。)
【白山山頂の御前峰。標高2702メートル。視界は真っ白…】
【山頂にある白山奥宮。周囲は岩塊に囲まれ、風を避けることができた。】
山頂は冷たい風が吹きつけ白いガスで視界は殆どきかない。
風に体温を奪われ冬用の防寒具が必要なレベル。
私達は寒さに耐え切れず御来光を早々に諦めましたが、ビジターセンターの手前くらいで急に天候が晴れました。そんなものですね…
【山頂からの下り道より見た室堂ビジターセンター】
朝食中に爆音が聞え、眼をやるとヘリコプターが視界に入りました。
下界から大量の物資をヘリコプターで輸送してようです。
昨日売店で買ったカラムーチョもヘリコプターで運ばれてきたのでしょう。
空飛ぶカラムーチョ
【僅かな時間にヘリが何回も往来】
【朝食。ソーセージか焼き鮭がメイン】
朝食後に下山。
帰りは「観光新道」というコース。
登りに通った砂防新道はその名のとおり砂防事業のために作られたもので景色はそれほどではないが、下りの観光新道は岩がちで歩くのに苦労する反面、尾根を通る景色は大変に素晴らしい。周囲の山々、斜面の草木の様子。特に8月上旬〜下旬は様々な花が咲き乱れ、白山屈指の花の名所である由。1度は観てみたいものである。
午後13時頃ようやく出発地点に到着。
最寄の白山温泉にある温泉施設にて疲れを癒しました。
友人は鬼怒川の被災地へボランティア活動に行くというので分かれました。
タフなものです…私などはふくらはぎの筋肉痛をこらえながらブログを書くのが精一杯ですから。
山と高原地図 白山 荒島岳 2015 (登山地図 | マップル)
- 作者: 昭文社地図編集部
- 出版社/メーカー: 昭文社
- 発売日: 2015/03/09
- メディア: 地図
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今回、購入してよかったもの。
「山と高原地図 43 白山 荒島岳 2015」(昭文社)。価格は1000円也。
本格的な登山ではないので地図など必要ない…と思いながらも白山登山の記念のつもりで購入したのがこの地図ですが、眼からウロコの便利さでした。
耐水性の地図の両面に白山へのアクセスルートと白山の登山ルートとが記載されています。
登山ルートは登山口と山頂結ぶ分岐点、避難小屋などの主要ポイント間の所用時間が記載。(実踏調査に基づいた登りと下りの所要時間がそれぞれ記載されている)危険箇所、水場、花の情報。
付録冊子には主要コースの詳細なガイダンス、地域の歴史、植物や動物、登山施設の情報。他にも装備品のチェックリスト、関連施設の連絡先、最寄の入浴施設、交通機関などなど…
登山への携帯はもちろん、事前の計画段階でも有益な情報が満載。特に私のような不慣れな登山者には誠に便利である。
この地図は京都駅八条口のイオンにあるモンベルで買ったのですが、やはり登山用品は全般的にお高いですね…今回最低限なものしか購入しませんでしたし、大半はネットで安いものを購入。
ちなみに、八条口のモンベルにはファクトリーアウトレットのコーナーがあり、平均2割引きでいろいろな商品が買えますからちよっとお得のようです。
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