晋山式 幽霊カメラマン サンガなり 









晋山式に出仕するために島根県浜田市に出かけました。



古くからの友人が曹洞宗で出家され、永らく修行を積んでこられましたが、この度、島根県浜田市三保三隅にある龍雲寺というお寺の住職になられました
晋山式というのは住職として正式に就任するための儀式です。






晋山式前日に約7時間電車を乗り継いで三保三隅に到着。




遠い…




お寺に着いてみれば大勢のお坊さん、お手伝いの方が忙しく働いておられる…その数は数十名。
今回の法要に参列されたり準備に携わる僧侶は50名を超えるとのこと。



法要といって家族で準備するくらいのものだというイメージしかない私にとって、まさかこれほど大規模な法要とは予想だにしていなかったのである。



ずらっと並んだ作務衣or僧衣のお坊さんに紹介される私…長旅ゆえラフにユニクロのパーカー姿…



浮き上がり感ハンパなし…




途中で作務衣に着替えればよかった…後悔するも後の祭りである。






次第を渡されてみれば今回の晋山式は2日間にわたって繰り広げられることが判明。



同じ仏教といえど宗派が違えばワンダーランドの世界なので次第をみても殆ど言葉の意味が分からない。



先方も他宗である私にかなり困惑されたらしく(笑)、私のことは「金剛僧正」と書かれてあった…



新しい御住職は海外でも修行され、曹洞宗で出家された外国の方やスリランカ上座部仏教のお坊さんも出仕されていた。




2日間とも見事な快晴に恵まれ大変に素晴らしい法要となった
法要全体の時間は全部で10時間を越えたのではないだろうか。




【手作りの祝い膳。120人前也。】


今回は3泊お寺に泊めて頂いたのですが1日目は
早朝4時頃に起床して1時間の座禅。



普段なら10分も経たないうちに眠くなったり雑念に支配されるのですが、座禅堂で座ると



1時間があっという間に立ってしまう。実に爽快な経験である。




2日目も楽しみにして座禅堂にでかけ座禅を始めてまもなく…



カシャッ



誰も物音を立てない座禅堂の中で不思議な音がする、かなり大きな音である。


カシャッ、カシャッ…



しばらくしてそれがシャッター音だということに気がついた。




他に10人余りのお坊さんが座っているが、座禅中に写真を撮影するとは余りに奇異である。



もっとも眼を閉じているので様子はよくわからない。



そのうち、私の頭の上あたりでガラッと窓の開く音がして頭上からしきりにシャッターを切る音が聞えてきた。



カシャッ、カシャッ、カシャッ、カシャッ…


不思議と怒る気はしないが、いくらんでも非常識なのではないか…



座禅どころではなくなった…



いやまてよ…



午前5時に座禅堂で写真を撮る非常識な人間がいるだろうか?しかも延々と…



もしかして…



もしかしてこれは幽霊なのではないか…


成仏していないカメラマンの霊が自分の存在を知らせるためにこんな所業に及んでいるのではないか?!


そんなことまで考え始めてのである。



てゆうか…


そんなことを延々と考えている時点で座禅としては完全に失格なのである(苦笑)


静粛を保つのが絶対の座禅堂でなぜこんなことが起きるのか…




ようやく1時間ほどの座禅が終わり、本堂に向かって歩いてゆくと…




「撮影」という腕章をつけた人物が大きなカメラを持って歩いてくるのにすれちがった



こいつか…




幽霊でなくて良かった…と安堵したのであります。









聖徳太子が制定したと言われる「十七条憲法」には、2番目の条項に「篤く三宝を敬え。三宝とは仏と法と僧となり」という文言がある。



「僧」というのはふつうは個々のお坊さんをさすことが多いですが



「仏法僧」という場合の「僧」は概ね個人の僧侶ではなく僧侶の集団である「僧伽」を指す言葉である。



お釈迦様によって仏教が説かれた時代に僧侶は「僧伽」(そうぎゃ)と呼ばれる大小のグループに分かれて生活していたのである。




「僧伽」というのはサンスクリット語で「仲間・群れ」を表す『samgha』である。






龍雲寺の住職は全国から広く参禅者を受け入れておられて、参禅に集まった皆さん、御住職に縁の深いお坊さん達が和合し、禅の道を歩まれている姿は僧伽と呼ぶのが相応しいように感じた。



和気にあふれながらも凛然とした空間でありほんとうに素晴らしいと感じた。




お寺というものは実にいろいな方向性を持っている。あるいは持つべきであると思うが




こういうお寺がもっと増えてほしいものだと思いながら帰途につきました。




頂いたお土産のなかにスリランカのお坊さんのつける袈裟が入っていた。




近いうちに1度着てみたいものである。





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