美山の芦生研究林 片波の伏条台杉 法話の秘伝
昨日は美山にある芦生研究林のトレッキングにお誘いを頂いた。
規約があって2人以上で入山することが義務付けられているのである。1人での入山は禁止とのこと。
前日ネットで調べると綺麗な木道と立派な芦生杉の写真が眼についた。
整備された木道を見てこれなら大丈夫と一安心。
朝6時に山寺を出発。7時半からトレッキング開始。
かっては林業で使われたトロッコのレールの上を歩いてゆく。これなら迷う心配は皆無…
だが…
まもなくレールは土砂に埋没してゆき、倒木や落石が道を塞ぐ。
あれ…「整備された木道」はどこに?
レールが川の中に崩落している箇所が無数にある。
下手したら長靴が要りそうな箇所まである。
よく聞けばこの研究林は広大で遭難して亡くなった方もあるという…
そんなの聞いてないよ…(怖)
1時間強歩いたところで特別大きな崩落箇所に行き当たり引き返すことを余儀なくされた。
約2時間半でトレッキング終了。
大半が樹林の木陰を歩くので日光にさらされることなく快適に歩けるが早朝は相当に気温が低い。
道案内の標識も僅かで、初めてだと全体の行程は殆どわからないまま歩くことになる。
道路の整備状況は良好ではななく。
特に沢や谷を渡るのに苦労する。トレッキングポールもあったほうが心強い。
廃棄されたトロッコのレールが延々と続いているが、このレールが不思議な廃墟感をかもし出している。
ただ山道があるのではなく朽ちた人工物があるというのがとても印象深かった。
家屋の廃墟などもあり、圧倒的な自然と人工物が作る空間は魅力的である。
さらに車で1時間弱走って京都市の北区にある『片波川源流域京都府自然環境保全地域』へ。
後で調べるとこの地域は平安時代の昔から御所や都の造営のために用材を切り出していたところであり、西日本屈指の巨大杉群落が存在する地域。
全く予備知識なしに入山したのだが杉の巨大な株から複数の幹が生えているには驚いた。
豪雪で杉の巨木が折れ、その後、新しい幹が生まれたのか…と思っていたのだがそうではないらしい。造林の方法としてひとつの株から複数の用材を切り出すためにこのような形状になったのだという。
【方波川源流域京都府自然環境保全地域】
http://www.pref.kyoto.jp/shizen-kankyo/hozen12.html
片波川原流域一帯は、古くから御杣御料として守られてきた森で、今日まで人為的影響を受けながらも大切に守られてきた西日本屈指の巨大杉群落の森です。長岡京、平安京の造営時や御所炎上の際には、膨大な量の建築用材がこの地より供給されたという記録が残っています。鎌倉、南北朝時代(1192年〜1603年)には、御料林を中心に林業技術が発達し、1本の木から多くの材がとれるように台杉(やぐら杉ともいう)仕立てが盛んに行われました。その後、山国スギと名づけられ品種改良も進み、台杉に代わり1本植えが中心になりました。明治時代に入り、御料地の解体(1869)に伴い民間に払い下げられ、片波の森も地域の人々に利用されていきますが、南北朝時代から放置された台杉仕立ての杉は、大きくなり過ぎたことが用材としての価値を下げ、伐採の手から逃れたと言われています。
この貴重な伏条台杉群は、平成11年に京都府天然記念物に指定されました。また、自然度の高い貴重な植生を残すこの地域一帯は、京都府自然環境保全地域の第1号に指定され、大切に守られています。(京都市のHPより抜粋)
敷地内は多数の杉が見られるが杉葉がクッションを敷き詰めたように堆積している場所があった。
恐らくは数百年にわたって積もった杉葉が土壌になり、濃厚芳醇な香りを放っていた。
まるでスピリットのような不思議な香りだった。
芦生研究林とちがってこちらでは順路標識が完備され、迷う心配はなさそうである。
特異な形状の杉の巨木が林立しているのは一見の価値がある。
ただしアップダウンが激しいので足腰にはこたえる。
昼過ぎに合計5時間のトレッキング終了。
運動不足のせいか軽い膝痛少々。
本日は市内の小ホールにて法話。
聴衆の方は50名前後だが多数の方の前でお話するのは久しぶりなので少々緊張。
こういう場合は真言宗に伝わる秘伝がある。
『秘技 眼鏡はずし』
軽い近視なので眼鏡を外すと周囲がはっきり見えない。
人の顔や表情がはっきり見えると緊張するがぼやーっとみえるとかなり緊張感が和らぐのである。
これはお大師様直伝の秘法で真言宗に昔から伝わる秘伝なのである。
肝心の法話は…
あいかわらずグズグズでした…(涙)
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