謹賀新年 邪馬台国はどこか 日露戦争秘話
謹賀新年
皆様の更なる御発展を祈念もうしあげます。
ぶろぐ坊 九拝
昨年も雪のないお正月だったが、本年も雪のない穏やかな元日となった。
まずはめでたいめでたい…
正月はその歳の象意ともなるのでできるだけ明るく、穏やかに過ごしたいと思う。
元旦は家族でお雑煮を頂く。9時前には檀家さんが年賀に来られる。
ご挨拶に来てくださる地元の方への応対は檀家さんにお任せして兼務寺院へ。
昨年に引き続き雪の無いお正月である。
しっかり雪が降れば除雪が大変なので皆さん雪の無いお正月を喜んでおられた。
兼務寺院では12時から本堂で年頭のご祈念が行われ、その後、庫裏にて檀家総会が開かれる。
昔は庫裏で簡単な料理やお酒をお出ししていた記憶がある。
私が子供の頃なので何十年も前の話である。
昨今では車での来訪が多くなり、飲酒運転厳禁のご時勢となったので母の作ったおぜんざいでお接待することにしている。
庫裏の方丈で総会をしている隅で会議の終わりを見計らって母が大型のコンロで餅を焼き始める。毎年、紅葉シーズンにはおぜんざいのお接待をしているので沢山の餅を焼くのもお手の物である。
会議の終わりにはこうばしい餅を焼く匂いがたちこめる…その香りが漂い始めると、会議もそろそろおひらきの空気になる。
総会を終えて山寺に帰った後は読書。
ようやくのんびりとしたお正月の始まり。
えっ?いつものんびりしてるって?
ですから…
いつもよりさらにのんびりします!
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元日の初読みは青松光晴「図でわかりやすく解き明かす 日本古代史の謎 神話の世界から邪馬台国へ」。
青松氏のブログ『日本古代史つれづれブログ』を編集したものだが実に興味深い内容である。
これまで様々な議論が重ねられてきた<邪馬台国はどこにあったか?>という問いを中心に様々な角度から論証してゆかれる。
筆者の結論は邪馬台国は九州北部に存在していたというもの。
邪馬台国は近畿にあって箸墓が卑弥呼の墓である…という論調をマスコミなどでよくみかけるが、こうした邪馬台国=畿内説を真向から粉砕するような見事な論考である。
論証の合理的な手順、多角的な分析でぐいぐいひきつけられて読んでしまった。
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『歴史群像』No.99(2010年2月号)も眼福の1冊。
内容はマレー進攻作戦、ポーランド戦史、長尾為景、パラオ諸島探訪記、などなど読みどころ満載。
「歴史のミステリー」というコラムがありそこに驚くような話が載っていた。
日露戦争では旅順港閉塞作戦で広瀬武夫少佐が戦死し、軍神として祀られる。
戦死した広瀬中佐の遺体は砲弾によって四散したと解されているが、実際にはその遺体はロシア軍によって収容され、旅順で軍隊の栄誉礼をもって葬儀が行われていたこと。
(文藝春秋2010年12月号掲載の川村秀“「軍神」広瀬武夫・死の真相”より)
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もうひとつの話題は林えいだい「日露戦争秘話 杉野はいずこー英雄の生存説を追うー」について。
広瀬中佐は行方不明になった部下の杉野兵曹長を探索していて壮絶な最後を遂げるが、この杉野兵曹長は乗っていた福井丸にロシアの魚雷が命中した衝撃で海に転落し、中国人の漁民に救助された後、大陸各地を放浪して、日本へ帰ろうとするも日本の親族から既に軍神として祀られていることから帰国を止められ断念したというのである…
にわかには信じがたい話だが実に興味を引かれる。
舞鶴には海軍記念館があり、引き揚げた福井丸の船材を額にしてこの広瀬中佐戦死の情景を絵画にして飾られているがそうした秘話を知るとまた感慨もわいてくる。歴史の真実に思いをめぐらすのは楽しいことである。
「歴史群像」は記事に関連があって他にも日露戦争の秀作映画「日本海大海戦」の紹介、石川県にFRP(強化プラスチック)で復元された戦艦三笠の実物大に近い模型が存在するなどの記事もある。
(復元された「三笠」は日本元気劇場という施設で公開されていたが現在は閉館中とのこと)
多分、歴史とは何かという問いはどこかで自分とは何かという問いと結びついてくると思うのである。今年もそうしたことをつれづれに考えてみたい。
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