おすそわけ コンパクトシティ クララの朗読する讃美歌
本日は千手観音を本尊としている兼務寺院へ正月飾りへ。
山道は一車線しかなく山道の両脇に何軒かの檀家さんがある。
そのうち1軒では親子孫の三世代で餅つきをされていた。その光景も年末らしい。
平地は殆ど雪はないが標高300メートル余りにある兼務寺院にはまだ10センチほどの積雪があった。
正月飾りを終えて山道を降りているとくだんの檀家さんが道端に立って待っていて搗き立てのお餅を渡してくださった。
私が車で参道を上がっていくのを見かけて降りてくるのを待っていてくださったらしい。
「随分待っていたんですよ」
と底抜けに人の好い檀家さんがニコニコしながら搗き立てのお餅の包みを渡してくださった。
私が兼務寺院で正月飾りをしている間、ずっと道の端で立って待ってくださっていたらしかった。
家に帰って包みをあけると白餅と中に餡を包んだ餡餅が入っていた。
搗き立てのお餅はまだほんのり温かった。
昼食の時にオーブントースターで軽く焼いていただいた。焼くことで表面が香ばしくなりなんともいえず美味しかった。
3世代で楽しそうに餅つきをされていた様子といい、道端でずっと待っていてくださったことといい、年末の忙しさから気持ちを和ませてもらうような思いがした。
回覧板を見ていたら行政から説明会の通知がはいっていた。
舞鶴でコンパクトシティという施策を行うのでその説明会の案内だった。
コンパクトシティという施策は時々耳にするが上手くいったという評判を聞かない。そんな手筋のあまりよろしくない施策に本腰をいれるか…と少々気分が滅入った。
舞鶴市はもともと東西の2つの町が合併してできたので中心となる市街も2つに分かれている。
コンパクトシティという施策は市街への人口集中を促すが、当地では当然2つの市街を中心に行うことになるし、おそらくは建設されるはずの中核施設も2つ建設されることになる可能性が高いだろう。
兼務寺院のうち2つは山中にあり、お寺の周りに数軒しか人家がないような過疎地である。
そうなると現在でも既に生活道路になる市道ですら草刈りもしてもらえなくなっているのが現状である。
いまでもすでに過疎化という流れのなかにあるが、今後市街への集中化のなかで一層住みにくくなるとしたらお寺の運営も益々厳しくなることになる。このコンパクトシティなる施策を少し見守っていく必要がありそうである。
娘が動画で見ていた「アルプスの少女ハイジ」が面白くて結局最終話まで見てしまった。
ストーリーの後半は足の不自由な少女のララが立ち上がることがテーマだが、クララの精神的な自立や不安、葛藤など実に丹念に描かれている。
第46話「クララの幸せ」。裕福な貿易商の娘であるクララは人に世話をしてもらうことが当たり前であったがペーターの眼の不自由なおばあさんのために讃美歌を朗読して感謝されることで自分が初めて人の役にたったという実感を得ることができる。
この場面では病弱で脚の不自由なクララが立ち上がるということの背景にクララの精神的な自立ということまで含意されていて、実に深い内容だと感心しながら観ていた。
クララの朗読していた讃美歌はつぎのようなものである
かみはおはからいくださっています。
ものみなすべてが すくいをもたらすようにと。
このよのなみが あれさわいでも おもいなさい
みずからの うちなる やすらかさを。
わたしのめが くらくかげってきたら こころのなかを てらしてください
ふるさとへ かえっていくような たのしいきもちで あのよにいけるように
とりわけ「ふるさとへ かえっていくような たのしいきもちで あのよにいけるように」という一節がなんともこころに響いた。
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