お釈迦様はベジタリアン?

   山寺のスピリチュアル問答

  お釈迦様は肉を食べられなかったのか?
 
 気になって少し調べてみた。お釈迦様の教えに従って出家した人々は働くことをせず、その食事を托鉢で得ていた。托鉢で施してももらったものが肉ならば食べていたようである。
但し、自分のためにその生き物が殺されるのを見た場合、殺される声を見た場合、殺されたという疑いがある場合という3つの条件に当てはまる肉は食べないことになっていたようである。

 お釈迦様は因縁を説かれた方である。
 因縁論に従えば、肉を食べればそれに伴う因縁を負うわけなので(因縁についてはまたどこかで書か ないといけない…)肉食は注意深く避けられたと思われる。


 お釈迦様の教団は最初は徹底して質素な生活を貫いていたが、組織が大きくなるにつれて、教団で暮らす僧侶の生活は随分と贅沢になっていったようである。
  
 教団の改革を訴えたある弟子は魚を食べない、肉を食べない、牛乳やバターを摂らないことなどを訴え、本来の規律を取り戻そうとしたといわれるが、逆に言えば、教団の中で肉魚や乳製品が食べられていたことを意味しているし、また教団ができた頃はこれら食品は食べるべきでないとして注意深く避けられていたとも考えられる。

 お釈迦様は改革を求める弟子の主張を退けられた。
 その理由は明らかではないが、規律を守ることそのものを追求することを是とされなかったのかもしれない。


 殺生という因縁を避けようと徹底すれば虫を殺すことすら避けなければいけないことになる。
 今でもインドで不殺生を極端に貫く人達の中には歩く時に虫を殺さないようにほうきで掃きながら歩く人達がいるそうである。殆どレレレのおじさん状態である。

 戒律を守る立場から言えばそれは正しい行為かもしれないが何か不自然な姿である。

参考文献

 「釈尊との対話」奈良康明  NHKブックス
 「仏教入門」高崎直道 東京大学出版会

      ※どちらも分かりやすくとても良い本ですのでオススメいたします