山道のお地蔵さん


 本日は兼務している山寺で八十八所巡り。山道に置かれた八十八体のお地蔵さんを、四国の八十八所に見立てて巡拝するのである。24日というのはお地蔵さんの日とされている。ちなみに28日はお不動さんの日である。

 参加者は40人程。とにかく天気が良い!山道では日差しもそれほど強くない。空気がさらさらしていて心地よい。先頭を山伏姿の行者さんが3人歩いていく。山伏姿というのはこういう場ではとてもかっこよく見える。

 近辺の山は遠目に見ると白い杭がたくさん立っているように見える。マツクイムシの被害で枯れた松の残骸である。山道にも樹皮が無くなり白々とした松の倒木が道を塞いでいる場所が随分あった。

 昨年の八十八所巡りでは、山道を登っているとたわわに実の付いた柿の木の枝がカシの木に引っ掛けてあった。どう考えてもクマの仕業である。今年は熊除けの鈴を肩から提げた布袋に付けてあるいた。

 3歳の姪が最年少の参加者である。山道の落ちているどんぐりを一生懸命拾ってはお地蔵さんに供えて、小さな手を合わせていた。

 山頂からは日本海が一望できるのだが、本日は天気が良すぎて霧のようなものが立ち込めていた。

 お地蔵さんもいろいろな二人並んでひとつの石に彫られたもの。錫杖という杖が彫られたものなど実に様々である。なぜか座禅を組んでいるように見えるものが多かった。

 風雨にさらされ、時代のついたお地蔵さん顔は穏やかに見える。
 とびきりいい笑顔で微笑んで座禅を組んでいるお地蔵さんもあった。

    禅定の地蔵の胸に秋日差す