かわいい厄介者

朝、山門の前の駐車場に向かって歩いていると側溝のなかに何かもこもこした黒いものが動いていた。グレーチングの下にいるので顔はよく見えないが、尻尾が大きく黒とグレーの大きな縞になっていた。
アライグマのようである…実物を見るのは初めてだった。結局、顔は見えないまま大きな黒い塊が側溝のグレーチングの下を移動しながら消えていった。

あらいぐまラスカル」のテーマ曲「ロックリバーへ」は妻のカラオケの必須アイテムである。あのアニメをきっかけにアライグマがペットとして大量に輸入された。ところがその一部が野生化し、現在、全国の山野に大量に生息している。

アライグマが野に放たれた理由のひとつが、大人になったアライグマがとても凶暴で飼い主がたまりかねて処分することが多かったようである。アライグマならぬ気の荒いクマなのである。実際、知人がが夜にアライグマを撮影した写真を見せて頂いたが、上半身を持ち上げ、威嚇するようにカメラを睨みつける姿は小型の熊を彷彿とさせた。

アライグマは雑食性で繁殖力が強い。農作物の被害もバカにならない。なんらかの細菌に感染しているのか引っかかれた傷が物凄く腫れたという話まで聞く。まことに厄介者である。