ディープどすえ

妻に勧められてグレゴリ青山氏の「しぶちん京都」(メディアファクトリー)を読む。
青山氏の絵は独特で敬遠していたのだがメチャ面白い!
「ナマの京都」の続編とのことだが、京都人のイケズな感覚は絶品である。

マンガというのは本当にディープな世界だと思うが、作者の実体験を綴ったものが最近は特に面白い。先日読んだ小栗左多里(おぐりさおり)氏の「ダーリンは外国人」(メディアファクトリー)に続くヒットである。

イ ケズだけにかぎらず京都人の感性や独特の持って回った言い方は感動すら覚えることがある。

先日、知人が京都の有名な仕出し弁当屋でお弁当を注文した。私もここのお弁当は大好きで、特にだし巻き卵など最高である。打ち水のきいた店の暖簾をくぐると、若い衆に慇懃にもてなしを受け、奥から女将が出てきた。注文を終わって、この知人はお弁当を食べるのが若い人であるから、ご飯を大盛りにして欲しいと頼んだ、すると女将の答えは

「お弁当の蓋にご飯粒がつくと不細工でっさかい、ふんわりもっときますわ」

この女将の答えを聞いて私は唸ってしまった。さすがは京都の老舗である。単なる物惜しみではなく、一本芯の通ったものを感じる。ディープである…

先日、久しぶり京都に出かけた、用事が終わって小雨の中、寺町のあたりをぶらぶらした。
気が付くのは町屋を改造した飲食店やショップがとても増えたことである。店構えを見ているだけでも楽しい。

お茶屋の一保堂は喫茶スペースが設けてあり、きちんと入れたお茶と和菓子でもてなしてくれる。久しぶりに行こうと思ったら、ロールケーキで有名な「シェラメール」の本店に行き当たった。急遽、予定を変更して紅茶とロールケーキを頂く。紅茶が少々薄い感じがしたが、ロールケーキはスポンジもクリームも申し分ない。流石である。

帰りに京都駅の2階にあるコーヒーショップでお茶。
ここはチコリの入ったカフェオレとベニエという揚菓子が看板である。確か南池袋に同じ店があったのを思い出す。そこで飲んだ時はずんぐりした愛嬌のあるカップでサービスしてくれたが、こちらでは使い捨てのカップで少々情緒が無い。この店は丁度、京都駅の中央改札口を見下ろす位置にあり、待ち合わせにはとてもいい。但し、吹きさらしなので冬場は寒くて閉口する。久しぶりに京都でのんびりできて楽しかった。