ベタなサイン…


部屋で事務仕事をしていると物音がするので雨かと思ったら、風に舞う落ち葉の擦れあう音だった。風が強い。昼過ぎまで晴れ間が見えていたのに、薪を運びに外へでたら雨。時にはあられも。そのうち横殴りの雨にみぞれがまじって降り始めた。窓ガラス越しに見ているだけで寒いっ…


老僧(父)があるホールの葬儀場へ行った時のこと。

ガードマンに誘導されて老僧が車を駐車場に入れると、中に立っていた別のガードマンが僧侶用に確保してあった駐車スペースへすばやく誘導してくれたそうである。
この頃は会葬者も殆どが車で葬儀場へ来るので駐車場は混雑する。どの葬儀場も僧侶用の駐車スペースは確保してくれているのだがスムーズに誘導してくれるところは少ないので老僧は感心したそうである。

そんなことが何回続いて、老僧は道路に立っているガードマンが不思議な動作をしていることに気付いた。葬儀場の入り口に立っているガードマンが車に乗っているのがお坊さんだと分かると、変わった身振りで駐車場の中にいるガードマンに合図を送り、それを見たガードマンが同じ動作を繰り返して、別のガードマンに知らせるという連携プレイをしていることが分かった。このサインがあったので僧侶の車をスムーズに誘導できたのだった。
さて問題はこのサインである。ガードマン達は掌を頭の上にかざしてなでるようなサインを送っていたのだという。「頭つるつる」とでいうような身振りなのである…野球で監督がバントのサインを送るのに思い切りバントのパントマイムしてるみたいなものである(笑)
「もうちょっとなんとかならないものか…」と老僧は苦笑いしていた。