山寺の侍

山寺はボイラーで給湯してるが、お風呂は薪で焚くこともできる。
薪で焚いたお風呂は身体が芯から暖まるし、お湯も冷めにくい。薪になる木は山の倒木や竹でまかなえるので経済的である。

但し、薪割りはなかなか骨の折れる仕事である。

木は乾燥すると途端に堅くなるので、生木のうちに割ってから乾燥させておく。

黒澤明の「七人の侍」で薪を割る手並みを見て、野武士と戦うメンバーにスカウトする場面があるが、映画で見るほど簡単には薪は割れない。それでも太い木が斧でスパッと割れると気分爽快である。

難しいのは木が股になったり、節があるような部分で、木の繊維が複雑な部は簡単には割れない。そういう時は金属のくさびをハンマーで打ち込んで割る。

斧やハンマーは先端が重いのでどう扱うかいろいろ工夫するのも面白い。ただ調子に乗って三日くらい薪を割っていたら腰を痛めたこともある。

昨日、四苦八苦して一時間程薪を割っていた。ふと気が付いたら、その時、気分がもやもやしていたのが嘘のようにすっきりしていた。肉体労働というのは心をクリアにしてくれる効果もあるらしい。

悩み多き方は是非、山寺で薪割りを体験して欲しい。