節分


今日は節分である。本堂でささやかな星祭りが行われた。
年に一回、御本尊の波切不動尊を開帳する日でもある。

 前日、気合を入れて頭を剃ったのだが、終わってから後頭部に大量の剃り残しがあると妹に笑われた。私の後ろに大勢のお参りの人が座っていたので、いい加減な剃り方をした頭を見られたと思うとちょっとブルーである…


 お坊さんというのは定年の無い仕事なので、私のように実務についてまだ数年というのは駆け出しもいいところである。
 この日のために大勢の方から様々な祈願が寄せられるが、果たして、自分に多くの人の祈願を取り扱う資格があるのか否かというのは、節分の度に考えることである。

 ただ悩んでも始まらないので、自分なりに心を込めて拝むということしかできない。

 この仕事というのはゴールがあるようでもあり、ないようでもある。まだよく分からない。

 本堂で焚かれる護摩の炎を見ながら、私の悩みも煩悩も燃え尽きることを願わずにはいられなかった。