引越し作業の秘伝

もう少しで移動のシーズンである。

就職、進学、転勤…そういった節目は人生の大きな転機になることが多い。


 移動といえば引越しが大きな課題である。

丹波の山寺から東京に引越ししたとき僅かダンボール20個だったことを懐かしく思いだす。在京中にとにかく本やマンガが増えに増え、ダンボールの数が10倍くらいになって山寺に帰ってきて家族に呆れられた…

単身者が遠隔地に引っ越す時はヤマト便やペリカン便などが「単身パック」などの名称で売りに出しているサービスが最も安いだろう。ダンボール約50個分の容積を運ぶことが出来る。私はペリカン便を使ったが料金は京都―東京間で多分17000円くらい。


 東京に居たころ1年くらい運送会社でアルバイトしていた。

引越しの補助が主な仕事だった。現場作業というと体力勝負というイメージがあるが、手順が悪いと無駄に体力を消耗するので作業の手順が実に合理的に組み立てられていることに感心したことを覚えている。

引越し作業の中心は大量のダンボールを運ぶことである。

引越しの手伝いに行って、最も重いのは本を目一杯に詰めたダンボールである。ついつい本ばかり詰めたくなるのは分かるが、これを延々運び続けると腰を痛めることになる。ひとつのダンボール箱に重いものと軽いものを取り合わせて詰め、あまり重たくしないことはひとつの工夫である。

 引越し作業では軍手を使うというイメージがあるが、ふつうの軍手でダンボール箱を持つと手がすべりやすい。手がすべると、かなり無駄に力や神経を使う。
 引越しの専門家は手の甲がメッシュになって通気性のあるゴム手袋(ホームセンターで売っている)を愛用していた。ゴム引きの手袋はダンボール箱を持っても密着して力が逃げない。普通の方なら軍手にゴムのイボがたくさんついたものでも十分である。

 もうひとつはダンボール箱の持ち方である。
 ふつうの人は両手を箱の底に入れて持つ。これに対してプロは左手を底に添え、右手で箱の正面を引き寄せるように持つ。ちょうど赤ちゃんをだっこするような形である。この持ち方はふつうの持ち方に比べて力が入りやすく、疲れにくい。

 引越しや荷物の移動を考えておられる方は是非覚えておかれると良いと思う。