吹雪の中の春
知り合いのお花の先生から個展の招待状を頂いた。
お葬式や法事が入って最終日の今日になってようやく出かけることができた。
昨日に続いて天候は荒れ模様。時おりさらさらした粉雪が猛烈な勢いで吹きつける。
私の住む舞鶴は海上自衛隊の母港になっているので、海自の隊員さんが黒い外套の襟を立てて雪の中を歩いているのが眼につく。海自の白の制帽と黒い外套。その上に白い雪が降るというのがこの時期の風物である。
個展は小さな画廊を借り切って行われていた。
しばらくは雪景色の中に花を見ることもないので、菜の花、チューリップ、椿といった春に咲くであろう花達を見ていると、心も体も緩む気がした。
「吹雪の中に春の花とは心憎い演出ですね」と言ったら先生は嬉しそうに笑っていた。
さまざまのこと思い出す さくらかな 芭蕉