春の歌

溶けた雪が軒から絶え間なく水滴となって落ちていく。

その光景を見ていると春の訪れを実感する。
家の中にいて屋根から落ちる水滴の音を聞くのは良いものである。

何人かのお坊さんとお逢いしてお話を聞く機会があった。

私以外は全員禅宗の方だった。禅宗ではお葬式の度にかならず頭を剃る。ウチの宗派(真言宗)はそれほど厳密には頭を剃ることにはこだわっていない、仏教でも長髪を認めている宗派もある。そこで「どんな道具で頭を剃るか?」という話になって禅宗の人たちは全員「フィリップスの電気カミソリ」を上げたので驚いた。すごく剃り具合がいいらしい…カミソリの場合はシックのT字カミソリが良いそうだが、生産中止になり、プレミアがついて取引されたとか…違う宗派のお坊さんと思わぬお話が聞けて面白い。


春らしい歌を少し書いて、春のお迎えとしたい


春の園 紅(くれない)におう桃の花  下散る路にいで立つおとめ    万葉集

梅一輪 一輪づつの あたたかさ                  嵐雪

何の木の   花ともしらず   においかな             芭蕉

ひとつ落ち ふたつ落ちたる   椿かな              子規