言葉の不思議な力
【ココロとカラダの話】
美しくやせる「ゆるダイエット」高岡英夫 (マキノ出版)1400円
今日は日差しが暖かい。
陽の当らない場所には雪が残っているが、そんな場所でも大きな石の周りや樹の根方だけぽっかりと雪がないのもこの時期らしい眺めである。
昨年、山寺で保護されたトモという大型犬は大人しく、頭がよいのだが、寒さに弱い。この冬の寒さで随分衰弱していたが、今日は陽の当たるコンクリートの上で気持ちよさそうに座っていた。ちょっと安心する光景だった。
「暖かいお日様」より「ぽかぽかしたお日様」のほうが具体的なイメージがわくし、とても身近な感じがする。
「ぽかぽか」「ざぶざぶ」「さらさら」などの表現は専門的にはオノマトペと呼ばれる。
これらは<子供っぽい表現>として扱われ、これまであまり真面目に研究されてこなかったが、最近になって
<オノマトペの持つ身体的なイメージや質感というものはとても大切なのではないか?>
と感じるようになってきた。
例えばストレッチを行うときに、ただ曲げるだけでなく
「じわーっ」とか「じゅわーっ」とか「だらーん」などのオノマトペを意識して行うとすごく効く感じがする。
体が固いということについては実にいろんな原因が考えられる。
人体は七十%以上が水分といわれるが、私達は<本音>や<潜在意識>のレベルでは人体を固体としてとらえていて、そのことが体を緩ませにくくしているということも考えられるのではないかと思う。それを越える方法としてオノマトペの持つ言葉の力は有効なのでないかという気がする。
「人体の70%以上は水分」と呪文のようにとなえてみたり、ゴムの水枕に水を満たしたようなものを想像して、そのイメージを自分の体に反映するように動かすとかいろいろやってみるが、特に即効性があるのはオノマトペを口にして行う方法である。
オノマトペと体の関係について気付いたのは高岡英夫氏の本を読んだからである。
少し前に紹介した「ゆる体操」だが、音声CD付の本が出ていた。
12種類のゆる体操を約30分のCDに合わせて体を動かすものである。(高岡先生にはお目にかかったことはないが、お疲れらしくお声の調子はイマイチのようである…)
本書に載っているゆる体操は全てはオノマトペを含んだ名前になっいる「腰モゾモゾ体操」「すねプラプラ体操」「ひざコゾコゾ体操」などなど…
私を含めて多くの男性の中には「強くなりたい」という願望があると思うが、結婚して初めて、女性が「きれいになりたい」「やせたい」という強い願望を持っていることに気付いた(笑)かなりカルチャーショックだった…
仕事柄、女性にお話をすることが多いので、そのことに気付けたのは大きな出来事だった。
いわゆるダイエットなどの広告を見ていると、不自然に感じられたり、効果を疑問に思うものが少なくない。ゆる体操は単に、やせるとか美しくなるだけでなく、運動能力を高めたり、体の冷えやコリを軽くするなどの健康を高める効果も期待できる。
「言葉には体を変える不思議な力があるんだなあ」と思ってこの本を読んでいたらちゃんと「言霊」という言葉が載っていた。さすがは高岡先生である…
日本人は木も草もみな同じ命があるように感じているのかもしれないと、昨日のブログに書いたが、言葉にも命を感じているとしたら、やはり日本人の感性は面白いと思う。