テンピュールの快楽
暫く前に小さな旅館に泊まった。
外見はやや古びているが料理も美味しく、お風呂も大きくて、とても快適だった。
ところが寝る時になって、枕に違和感があることに気付いた。なんともいえず寝にくい枕だったのだ。 枕のなかになにか固いものがつまっていてそれがごりごり頭に当たる。
私はかなり神経が太いというか、忙しい時は電気をつけたまま畳の上にごろ寝するのも平気である。そんな私が違和感を覚えるくらいだからこの枕は普通の人にはかなり睡眠を妨げたのだろう。
翌日一緒に泊まった人達に聞くとやはり皆口々に枕への不満が聞かれた。
初めてテンピュールの枕を見たのはもう十年近く前だが、友人の家に行ったとき
あまり熱心に勧めるので、半信半疑でその上に頭を置いてみた。
溜め息がでるような感触だった。硬すぎず、柔らかすぎず、絶妙な感覚である。
それ以来、このテンピュールの枕を愛用するようになった。
今でこそ慣れたが、当初はこの枕で寝ることを想像しただけで頬が緩んだ…嘘みたいだがホントの話である。
眠るということは心身の疲れを取るのに無くてはならない行為だが、枕や布団の果たす役割は意外なほど大きい。その点、このテンピュールの枕はかなりポイントが高い。
(もちろん個人差や好みもあるので万人向けとは保障はできないが…)
唯一の欠点はそこそこのお値段(一万円前後)と自分にとって適度な弾力が1年くらいで失われることである(笑)
それでも1年間の快適な睡眠をお金で買えるとしたら決して高くはない。(もっとも最近はお金がなくて買い換えられずにいる…)
大手のデパートの寝具売り場に時々置いてあるので、見かけたら是非、その感触を試して頂きたい。
案外、すぐにトリコになるかもしれません…