小浜にて

burogubou2008-03-07

禅宗で修行僧をしている友人から、小浜のお寺に参禅しているので、京都に帰る途中、一泊させてほしいという連絡があった。

ウチの山寺から小浜までは車で約一時間である。
山寺を出発した時は気持ちのいい快晴だったのに、しばらくすると雲が出てやがて雨になった。雨が続いたかと思うと、再び晴れ始め、また雨が降る…

この地域は天候が変わりやすいが、こう変わりやすいとかえって面白く感じるから不思議である。

小浜に着いて、先方のお寺を探すうちに、道に迷って、「井上孝養庵」という和菓子屋さんの前に出た。ここは小浜でもイチオシのお店なので、手土産をかっていくことにした。

あれこれ選んでいると、若い女の店員さんがお茶と和菓子を進めてくれた。私はこういうサービスに弱い…早速、美味しく頂いていると、「オバマ候補を勝手に応援する会」という文字のPOPが眼についた。オバマさんが当選したら紅白まんじゅうを作って祝うという文句まで書いてあった。このお店もオバマ候補を応援しているらしい…「おばまん」なるおまんじゅうまであった。


お寺に持っていくお菓子を選んでいると「すべてよい」と書いたお菓子があった。
筆書きのような書体でなかなかいい言葉だと思ったが、禅寺に持って行くにはちよっとベタな感じがしたので、別のお菓子にした。

ようやく先方のお寺を探し当てると、友人がお寺の中を案内してくれた。
禅堂を見学させてくれるというので喜んで着いていくと「ちょっと座りませんか」とのお誘い。またとない機会なので、薄暗い禅堂の中で座らせてもらった。

 座に着くと、また雨が降り始め、雨が屋根を叩く音が気持ちよく聞こえる。
 しばらくすると雨が止んだ。眼の前にある、障子がうっすらと明るくなって、陽が差したのが分かった。

 僅か20分ほどの時間だったが、心が洗われた。
 座禅とはいいものである。
 ちなみに「すべてよい」とはこの禅寺の老僧のお言葉であった。