頑張らずに楽になる方法
ふだんは本当に暇な山寺なのだが、なぜかここ数日とても忙しかった。
昨日に至っては、お葬式、お通夜、年忌の法事、御祈祷、初七日が重なってかなり大ハードな一日だった…多分、仏事の新記録である。
お坊さんの説法のネタでお約束的なものとして「忙しい」という字は「心を亡くす」と書きます…みたいなのがあるが(笑)、確かに忙しいと心が定まらなくなる。
そして私の場合、疲れたときには身体のあちこちが固くなるという感覚がある。
昨日もようやく仏事が終わったら、衣を脱いで、お茶を飲んだら、まずストレッチである。
正確に言うとヨーガと気功とストレッチをミックスしたものを行う。30分もやっていると確実に身体が回復して、心も定まってくるし、元気がでてくるのが感じられるのがありがたい。
さてこの疲労で固まった身体を柔らかくする運動の中心は気功家の山口令子先生に教わった気功法「さなぎと蝶」である。
今月25日発売のクロワッサン(マガジンハウス)の特集は「40歳から意識したい、女性ホルモンの力」である。この中で「さなぎと蝶」など5つの気功法が紹介されている。(p78)
この「さなぎと蝶」の素晴らしいところは寝転んだまま、力んだり、痛い思いをしなくても体を柔らかくし、固まったり、凝ったりした部位をゆるめていけることにある。
とにかく気持ちが良い!気持ちが良いのでいつでもできるし、いつでもやりたくなる。
そして、この重力を使って身体をゆるめるという感覚を一旦覚えるとヨーガや、ストレッチにもどんどん応用でき、これがまた面白いし、気持ちが良い。実は高岡先生のゆる体操ともつながっていく…
20年くらい前からひとつのムーブメントが起きていると私は感じている。
武道、健康法、運動科学、宗教、医学など心と身体に関わる分野で脱力やリラックスが大きなテーマとして扱われるようになってきた点である。これは<癒し>ブームとも深くつながっている。
身体を脱力した時に感知されるのは身体の<重み>であり<重力>である。
最近では合気道や中国武術など武道系の指導者の間ではこの重力を利用することが普通に説かれるようになったが、気功の分野で、重力を駆使した気功法を開発したのは山口令子先生が初めてだろう。
この「さなぎと蝶」については先日のブログ「身体が蝶になる」(3月17日)でも紹介したが、是非、大勢の方に体験してもらいたいと思っている
仏教を学ぶというのは心や認識をバージョンアップしていくことだと思っている。
自分が認識できないことを認識できるようになる…これは素晴らしいことである。
私達は地球の万有引力という環境にいながら,日常生活の中でほとんど意識していないのである。これは実に面白いと思う。
真に脱力というものを体験できるようになると、全く違う世界を体験できるかもしれない。
ちよっとワクワクする話である。
【参照】
気の世界 アイズワイズ気功教室 http://www.kinosekai.jp/
「さなぎと蝶」の気功法については以下の2冊が詳しい。