Smile for me

一月に2回くらい京都へ行く用事がある。
長距離バスだと時間がかかるがJRの半額くらいで行けるので貧乏な私はもっぱらバスを愛用している。

京都駅前に着くと、駅前のベローチェでコーヒーを飲む。
この店は何年か前から接客のマニュアルが変わったようである。

 オーダーを受けたり、商品を渡したりする時に必ず、お客の眼を見てスマイルするのである。
 新しい店員さんなどスマイルのぎこちない人もいるがそれはそれでいい。
 店員さんは殆ど20代の女性である。男女を問わずどの年代にも、それぞれの美しさというものがあるが、20代の女性が一生懸命?微笑んでいるのはやはり気持ちが良い。笑顔は人を幸せにする。


 もっとも最近の日本人は無表情だったり、無愛想だったりすることが多いように思う。
 京都の地下鉄の駅員さんは入場者に対して必ず「ありがとうございます!」と声を掛けるが、殆どの人は無視である。
 毎日、声を掛けても無視され続けるのはなかなかご苦労だと思う。私はできるだけこちらも挨拶を返すようにしている。

 人を幸せにするというとものすごく難しい感じがするが、相手に微笑むだけでも間違いなく相手を幸せにしている。しかも毎日でも実行できることである。
 相手に微笑みを与えることはごく小さなことでも、毎日、一生積み重ねれば、他人に与えた幸せの総量は膨大なものになる。
 そして、同じ量の幸せが回りまわって自分に返ってくると私は思っている。

 因果応報というと難しい感じがしたり、怖い感じがするが、人を幸せにしたら自分にも幸せが帰ってくるし、或いは人を不幸にしたら自分にも不幸が返ってくると思えばいいと思う。

 自分がまず幸せになろうとするとどこかで人とぶつかる。
 人から奪う幸せは必ずどこかで誰かから奪い返される。
 人を幸せにすれば黙っていても幸せは帰ってくる。
「奪って得はない。譲って損は無い」とは二宮尊徳翁の言葉である。