ゴルゴ13  男と女

さいとう・たかお氏の「ゴルゴ13」が今秋で40周年を迎えるという。

初期のゴルゴはとても人間臭いハードボイルドの世界だった。最近は機械のように正確にミッションを達成する姿が描かれる。
どちらが好きかといわれれば前者のほうが好きである。「海に向かうエバ」(確か21巻だったと思う)なんかとても好きである…

ゴルゴ13はデューク東郷と名乗ることもあるが、さいとう氏を激励してくれた素晴らしい中学時代の先生がおられてその恩師のお名前であるという。
著名人の伝記を読むとたった一度、凄く誉められたことが、その後の人生に決定的な意外を持ったという話が意外に多い。たった一回の出逢いというもの、或いは一言一言を大事にしないといけないのだと改めて思う。

少し話しは変わるが 、日本人は言葉で正確に物事を伝えたり、言葉で感情を伝えたりするのが下手なのかもしれないと思うことがある。だがその不器用さを男らしさと感じる向きも少なくない。

ゴルゴ13の人物像のモデルは高倉健であるとされる。
私の大好きなマンガ「北斗の拳」の主人公ケンシロウもまた高倉健のイメージが強い。
圧倒的に強いが、寡黙で決して自分を誇示するところが無い。
日本の男性はこうした高倉健のような存在感に憧れを感じることが少なくない。


 山寺に参拝にくるのは年配の女性が多いが、良く伺うのは夫から<言葉による愛情>が欲しいという話である。

 私も男性の端くれであるが(笑)、男性の気持ちもよく分かる。
 男性には自分が相手のことを好きなならそれを言葉に表す必要がないという意識がある。
 このことは時に決定的な意味を持つことがある。

 夫婦について言えば、女性が言葉による愛情を求めなくなったとき、男性は、ようやく言葉に表すまでもない愛情を理解してくれたと思う。ところが女性側は「言葉による愛情」が与えられないことをいよいよ諦め、男性への不信、離反を強めたことを意味する。

 年配の男性が妻からある日突然、離別を宣言されたという話を聞くが、その背景にはこうしたすれ違いも存在するのではないかと思う。


 仕事がら、奥さんを亡くされた男性を見ていると心の底からの寂しさ、悲しさを感じることが多い。ではその男性が奥さんの生前、十分な愛情表現をしていたかというとそうではないことが多い。
 女性に気付いてもらいたいのは自分が感じている以上に男性に愛されているということである。そして男性にはもっと言葉による愛情を重視したほうがいいということをオススメしたい。
 もっとも私自身、この件については嫁に指摘されることが少なくないのであまり偉そうなことは言えない。自戒を込めた話である…