聖火リレーを終えて  〜チベット問題から眼をそらさないために〜

 【のんびりしてられない日記】
 
 本日0時30分、長野における聖火リレーが終了した。

 連日、ニュースとなっている中国の聖火リレーは結局のところ中国の倣岸な姿勢を世界中に印象付け た感が強い。


 中国の報道だけ聞いていると、チベット問題とは精々、10人程の死者の出た暴動という印象だが、その背後にあるのは中国による徹底したチベット文化の破壊であり100万人を優に超すチベット人の殺戮である。

 先日、桜木朱雀さんという方のとても歯切れのいいブログを見つけたのでご紹介したい。

      朱雀式 http://www.suzaku-s.net/2007/08/the-xxxx-of-tibet.html

 朱雀さんのブログから引用させて頂く


 映画『セブンイヤーズ・イン・チベット』にも描かれたように、中共は、チベットに「人民解放軍」を送って武力で支配し、虐殺している。
チベット仏教に弾圧を加え、抵抗する民衆を殺し、収容所に監禁して拷問を加え、棄教を迫っている。男に対しては断種手術(生殖器切除!)まで行ない、女は 「強制交種」として人民解放軍に強姦させ、漢人との混血児を産ませることによって「チベット民族」をこの世から消去しようとしている。

 民族固有の宗教は、抵抗運動の団結の支えともなる。そう考えた中共は、徹底的にチベット仏教を弾圧した。破壊した寺院の跡地には毛沢東の巨像や移民の漢人のための商業施設が建てられた。
 
 チベット仏教と僧侶達の威厳を失わせるため、公衆の面前で殴り、官憲の小便を飲ませ、果ては僧と尼僧が道端で交わることを強制され、抵抗すれば殺さ れた。棄教しない僧侶達は捕らえられ、彼らが命より大事にしている仏像の重みで絞首刑にされ、尼僧は局部に電極を挿し込んで感電死させるなど、あらゆる残 忍な方法でチベット僧の尊厳と命とが奪われた。
 
 中共政府により虐殺されたチベット人の数は120万にも及ぶ。チベット民族の数を減らすのと同時に、漢人に多額の補助金を出して移民を奨励してい る。2年前に開通した「青蔵鉄道」を使って、おびただしい数の漢人が流れ込み、今ではチベット人は15万人、漢人は20万人で、すでにチベット人は少数派 に転じている。
1949年から今までに虐殺されたチベット人の数は、120万人以上といわれている。人類史上、かつてこれほどまでに大規模に、かつ計画的に行なわれた虐殺があっただろうか。

(>【チベット問題まとめ】今、中国がチベットで何をしているか
http://www.suzaku-s.net/2007/08/the-xxxx-of-tibet.html)


 中国の一連の行為は日本人の想像の域を超えた蛮行なのである。
 
これらの事実には眼をつぶりチベット問題をスルーしようとしている人達がいる。日本のマスコミであり大半の政治家である。


 それにしても善光寺さんグッジョブ!(笑)
 よくぞ出発地点を辞退してくれました。
 これで長野での聖火リレーの印象は決定的になった。

 もちろんグズグズいう人達もいる。


 常々、地方紙というのは偏向したものの見方を広める悪しき地盤になっていると感じているが、地元の京都新聞の一面にも以下のようなコラムが載っていた。

 日本でも長野の善光寺がリレー出発地を辞退、近くの市有地に変更された。評価は分かれるところだろう。善光寺文化財や参拝者の安全、チベット暴動をめぐる仏教者への弾圧を辞退の理由にあげたのは理解できる▼一方で「なお広い心で受け入れてもよかった」との声もある。いずれにしても苦渋の選択だったに違いない。
  (>「京都新聞」平成20年4月22日 「凡語」)

一体、「なお広い心で受け入れてもよかった」とは誰の言葉なのだろうか?
中国によるチベット文化の破壊とチベット人の殺戮を受け入れろというのだろうか?


今日、地方紙の大半が未だに手垢の付いた偏向思想にかぶれている。
政治家と役人をこき下ろし、読者を善良な市民と持ち上げるだけのルーティーンなお仕事ばかりしている。

チベット問題というのは報道の俎上に乗らない事実関係を掘り起こし、中国の本質を見極めないかぎり決して見えてこない。

といっても難しいことではない。
新聞ではなくネットと書籍で情報を集めるだけである。簡単と言うほかない(笑)

私達はチベットをめぐる中国の動きに決して眼をそらしてはならない。

《追記》

 それにしても気になるのは、ウイグル問題である。
 イスラム教徒に対して中国政府がどのような圧制を敷いているかは殆ど情報がない。
 きわめて不気味である…